第18話自己紹介
「すいません、見た感じ冒険者の人達だと思いますがこの熊倒してしまって大丈夫ですか?」
目の前の子供がそんな事を言っているので
「…バカ野郎さっさと逃げろ!ソイツはC級のモンスターなんだぞ!子供がどうこう出来る相手じゃないんだ!」
その言葉を聞いたクロードは自分達が危ないのに人の事を気にするなんて優しい人だなと思った。
「心配してくれてありがとうございます。けど大丈夫です。この熊では僕に傷すら付けられないですから。それより討伐部位とか必要な部位とかはありますか?」
「な、何を言っているん……」
そう言いかけて男は
(そういえばなんでコイツはさっきの攻撃を受けてなんともないんだ?何故デスグリズリーは止まって…いやよく見ると…震えている…のか?まさかこの子供を恐れているのか?まさかそんな)
「…討伐部位は手だ。素材としては爪や牙、毛皮、肉といったところだ。」
「アンガス何を悠長に説明しているんですか!早く逃げる様に言って下さい。」
「わかりました。それじゃあさよなら。」
そう言うと同時にクロードは素手でデスグリズリーの首を切り落とした。
それは最早世界最強と言っても過言ではない存在の圧倒的な力が故に出来た事だったが
「…今…何が起こった?」
「え……子供が…一体何が…」
「………」
その場にいた者は混乱するだけだった。
「これで大丈夫ですね。皆さん大丈夫ですか?!!そちらの方は早く治療した方が良さそうですね。すいませんが僕と代わって下さい。」
クロードは治療行為中の神官に話かけた、何故なら神官の使用している魔法はヒールだがどう見ても怪我が非道過ぎて回復が追いついていないからだった。
「…貴方は何か回復の手段を持っているのですか?それならお願いします。僕の魔法ではこれ以上は難しいので…」
「ハイ、すぐにやります。パーフェクトヒール!」
その魔法と同時に倒れていた剣士の傷は完全に治っていた。
「アレ?俺は…そうだ!デスグリズリーは?あれ?君は誰だ?」
「テリー!大丈夫なんですか?僕がわかりますか?」
「…ああ、ルイス、一体どうなったんだ?」
「それは彼が…」
「そんな事はどうでもいいだろ!それよりも助かった、ありがとう。仲間の怪我まで治してもらって、俺に出来る事ならなんでもするから言ってくれ。」
「たしかに、ありがとう助かったよ。」
「そうですね、助けてもらってありがとうございました。」
「君が俺を助けてくれたのか、ありがとう。」
「いえいえ気にしないで下さい。たまたま通りかかっただけですので。」
「そんな訳にはいかない。俺達は命を助けてもらったんだ俺達「鋼の絆」としても出来る事をさせてほしい。言い遅れたが俺は重戦士のアンガス。このチームのリーダーをしている。」
「俺は狩人のカイだ。よろしく。」
「僕は神官のルイスといいます。」
「傷の手当て本当に感謝している、俺は剣士のテリーだ。よろしく。」
「これはこれは丁寧にありがとうございます。
僕はクロードといいます。…それではもし皆さんがよろしければ城塞都市ビクトリアまでの案内をお願い出来ますでしょうか?」
「それはもちろんだ。だが元より俺達はビクトリアを拠点にしている冒険者だ。案内は当然だが他にもなんでも言ってくれ。こんな事じゃ受けた恩を全く返せない。」
「本当に気にしないで下さい。あ…それではビクトリアに着いたら冒険者ギルドに案内していただけますか?僕も冒険者になる為に登録に行くつもりでしたので。」
「冒険者登録?そんな事ならお安い御用だが本当に他の事も考えておいてくれよ?」
「その気持ちだけで十分ですよ。しかしこの熊はどうしますか?」
「…もったいないがデカ過ぎるから牙と手だけでも持って行こう。」
「全部必要でしたら僕が持って行きますよ?」
「いやいや、流石に子供にこの巨体を持てるハズが…」
「【インベントリ】」
「アレ、デスグリズリーは何処へいったんだ?」
「僕のスキルで収納しましたので冒険者ギルドに着いたら出しますね。」
「「「「………なんじゃそらーーー」」」」
4人の叫び声が響き渡った
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