第16話…やり過ぎた

 「……ここは?そうか元の場所に戻ってきたのか。それならあの魔神は…」


そして辺りを見渡すとすぐ目の前に倒れたままの魔神がいた。


 「…貴方に恨みがあった訳ではないですし、ある意味貴方のおかげで僕は現在(いま)コレほどの力に至る事が出来たともいえます。しかし貴方方魔神達は人類とは相容れない存在であると言わざるをえません。ですので僕の趣旨ではありませんがここで止めをささせていただきます。」


 「馬鹿な、少しまぐれ当たりが起きたぐらいで調子にのるなよ?この虫ケラが!」


そう言ってなんとか立ち上がった魔神が攻撃をしかけてきた。


 「跡形もなく消してくれるわ!あの世で後悔するがいい!ヘルフレイム!!」


魔神の叫び声とともに黒い炎が放たれたがクロードは防御すらせずにその攻撃を受けたのだった。


 「下等な人間風情がこの魔神フォルネウス様の黒炎を見る事が出来た幸運に感謝するがいい。もっとも最早チリと化しているだろうがな。」


 「…これで終わりですか?」


 「…ハァ?」


フォルネウスは目の前で起きている事が理解出来ないでいた。

己の持ちうる最大火力であるヘルフレイムをその身に受けて生きている人間が、いや人間でなく他の生物だとしても闘級Zの自身の最大の攻撃が全く効いていないという現実を認められない、認めたくなかった。


 「申し訳ないですが現在の僕にはZ級の攻撃では意味を成さないようです。何故なら現在の僕はEX級ですから。」


フォルネウスは目を見開いて驚愕していた。


 「…あ、ありえん!人間如きがZ級である私より上などと、ましてやEX級などと世迷言を吐きおって!」


 「…貴方の最大の攻撃が全く意味を成さない時点で理解出来そうなものですけどまぁいいです。どうせ今すぐ終わりますしね。全てを消し去れ

「シヴァ」!」


 「あ…」


それが魔神フォルネウスの最後の言葉になった


それは限界突破をした現在だから使う事が出来る様になった正真正銘全てを破壊する神の如き力だった。

今まさに目の前にいた魔神フォルネウスはもとよりフォルネウスが所持していた神殿やそこにあった物全てが消滅していた。


 「………イヤ、ヤバ過ぎるでしょこの魔法?自分で創っておいてなんだけど。何処まで創り出せるんですかこの力?……ヨシ、この事は忘れよう。別に僕は世界征服とかしたい訳でもないし大切な人達を護れる力があればいいだけだからな。よし、気持ちを切り替えて今後はこの力を制御出来る様に努力しよう。そして冒険者登録をめざすぞ!」


そうしてクロードは都合の悪い部分は有耶無耶にして冒険者登録出来る年齢まで力の制御に励んだ

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