第9話カノン様とのお話

そして現在僕は婚約者であるカノン様の部屋に訪れていた。


 「…ところでカノン様「ムゥ〜、カノンです」…カノンは普段どのようにお過ごしなのでしょうか?」


 「私は今はクロード様と同様にスキルを授かる事が出来ましたのでスキルの熟練度を上げる訓練を行っています。ちなみに私のスキルは「ちょ、ちょっと待って下さい。」どうかされましたか?」


 「話の途中ですいません、しかしスキルについては他言されない方がよろしいのでは?」


 「いえ、王家のスキルに関しましてはいずれ皆様が知る事になりますし他ならぬ婚約者のクロード様ですから何も問題ありません。」


そう言ってカノン様は顔を赤くして下をむいてしまった。


(〜〜その顔は反則ですよ?5歳児ですけどこの人は綺麗過ぎるんだよな〜)


 「…そう言っていただけるのは光栄ですが「むしろ私の事をもっと知っていただきたいです。」グハッ、か、可愛すぎる…」


 「〜〜〜か、可愛いだなんて……」


(し、シマッタ、あまりの可愛いさについ声に出してしまった)


 「す、すいません。失礼しました。」


 「…い、いえ、私こそ取り乱してしまい申し訳ありませんでした。そ、それで先程の話の続きなのですが私のスキルは【神聖術】といいましてケガや病気を癒し呪いを祓う事が出来ると言われています。しかしまだ今の私の力ではかすり傷を癒せる程度でしかありませんが……」


 「…それは凄いスキルですね。確か現在知られているスキルには傷を癒せるものは在るはずですが病気や呪いを祓う事が出来る能力は存在していないはずです。」


(この娘の場合その性格の優しさからの能力な気がするな。まだ知り合ったばかりだけど彼女がとても優しい人だという事はわかった。というか陛下にしろウチの家族にしろこれは血筋というのが正しいかもしれないな)


 「カノン様の優しさが顕現した様な能力ですね。僕はとても素晴らしいスキルだと思います」


 「〜〜あ、ありがとうございます。これからも精進していきたいと思います。ところでクロード様はこれからどうされるおつもりなのでしょうか?この国では15歳になりますと学園に通う様義務付けられていますのでそれまでの間となりますが。」


 「そうですね、まずは先程陛下にもお伝えしたとおりこの世界の発展の為に出来る事をしたいです。それと僕は3男ですので12歳から冒険者ギルドに登録出来る様になるのでその登録とその為に修行をしたいですね。」


 「冒険者ギルドですか?それでしたら確かに強くなる必要はあるかと思いますがクロード様は既にこの国最強のクリスに勝てる程の実力がありますのにまだ修行が必要なのでしょうか?」


 「いえ、僕の実力などスキルと加護によるものにすぎませんので自力はたいしたものではありません。ですのでそれに見合う力と技量を手に入れたいのです。この国は陛下のおかげで他国と比べれば安全に暮らす事が出来ていますがやはりモンスターによる被害等は存在しますしこの世界にはまだまだ生命の軽い場所が在るのも確かです。それらの事から大事な家族を護れる様になる為にも強くなりたいのです。………それにカノン様に何かあった時に護れる様になりたいですし……」


 「〜〜そ、そうですか。わ、私も護ってい、いただけるのですね?」


(〜〜〜だからその顔は反則ですって?けど僕ってこんなに耐性なかったかな?やっぱりこの娘が可愛過ぎるからかな)


 「も、もちろんです。その為にも修行して強くなってきますね。」


 「はい、けど偶には私に会いに来て下さいね?もちろん私もクロード様に会いに参りますので」


(だからその上目遣いはヤメてー)


そして僕は今日何度目かもわからない心の叫び声をあげたのだった。

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