第8話発展といえば定番の…

何やかんやで婚約が決定した所で陛下が


「ところでクロード、この世界を発展させるとの事だったけど何からか始めるんだい?」 


と尋ねてきたので


 「そうですね、最初は娯楽と食事辺りから始め様かと考えています。」


 「なるほど、ちなみにどんな物か既に考えている物はあるのかい?」


 「はい、先ずは娯楽ですがリバーシというものから始めてみようかと思っています。先ずは百聞は一見にしかずといいますし必要な道具を創ります【創造】。」


(たしか以前に読んだ小説か何かでリバーシを流行らさせたとかあったはずだから大丈夫だよね)


そう言って僕はスキルを発動し碁盤と白と黒の駒を創り出した。


 「…本当に創り出せるんだね……」


2人は何かあきれた様子で何かを呟いていたが気にせずに


 「こちらが先程申しあげましたリバーシになります。この碁盤の上で白と黒の駒に別れて相手の駒を取っていく単純そうにみえて奥の深いゲームになります。詳しいルールは………といった感じになります。よろしければ陛下と父上で対局されてみますか?」


それから暫く2人は対局を繰り返していた。


 「……なるほど確かにコレは単純そうでなかなかに難しい。」


 「兄上の言う通りコレは突き詰めれば突き詰める程考えさせられるものですね。」


 「ちなみにこのリバーシ

は材料費もそれ程かかりませんので一般の方々にも手軽に楽しんでもらえると思います。もちろん貴族の方々にも興味を持っていただきたいのでそちらは少し良い素材を使い高級感を出したいと考えています。」


 「なるほど、一般の民には負担を少なく手を出せる娯楽として、貴族には高級感を持たせる事によって貴族に相応しい娯楽としつつ金策としても成り立たせるという事か。」


 「さすがクロードだね。確かにコレは万民にウケるだろうし数少ない娯楽を1つ増やす事は間違いないだろうね。」


 「それじゃあこのリバーシは早速量産出来る様に商会に委託しよう。ユイシス、公爵家のお抱え商会に至急連絡をしておいておくれ?」


 「はい、兄上。すぐに手配いたします。」


 「しかし素晴らしいよ、クロード。いきなりこんな物を考え出すなんて。武力だけでなく頭も良いとはつくづくカノンは良い縁に恵まれたね。」


 「ハイ、お父様。私もクロード様に出会えた事は幸運でした。クロード様、これからも宜しくお願いいたします。」


 「は、ハイ。こちらこそ宜しくお願いいたします。」 


(そういえば婚約したんだっけ。まだあんまり実感なかったんだけど決定事項なんだよな〜。まあ見た目はとんでもなく綺麗だしあの陛下の娘だから悪い人ではなさそうだからまあいいか?)


 「そして食事についてなのですがまずはコチラを普及させてみようと考えています。」


そう言ってスキルを使用し創り出したのは


 「コチラはホットドッグといいまして外でも簡単に食べる事ができ調理も手間がかかりませんしコストも低くすませる事ができるので一般の方々に普及しやすいと思います。」


 「なるほど、食事はまず1番人数の多い大衆向けから始める訳だね。」


 「はい、コチラは味も然ることながら手間とコストは安く貴族よりも一般の方々に適していると思います。ですので何よりまずは数の多い民から広げる方が良いかと考えています。」


 「確かに、僕達は民あってのものだからその民から広げるというのは良いと思うよ。ユイシスはどう思う?」


 「私も陛下の仰る通りだと思います。何より我が子が民の事を最初に考えてくれた事が嬉しいです。」


 「ウン、僕もそう思う。クロード、まず民の事を考えてくれた事に対して礼を言うよ、ありがとう。そしてこれからもこの国の人達ひいては世界の人達の為力を貸してほしい。頼めるかい?」


 「もちろんです、陛下。これからもより良き発展の為尽力させていただきます。」


 「ありがとう、クロード。それでは僕とユイシスは久しぶりに2人でゆっくり飲むからカノン、クロードを饗してあげなさい。」


 「はい、お父様。それでは参りましょう、クロード様。」


 「どちらに行かれるのですか?」


 「もちろん私の部屋です。そこで2人で話をしませんか?」


(エッ、このぐらいの年だと外でとかじゃないの?部屋で2人とか気まずいんですけど?間が保たないよ?)


 「……駄目でしょうか?」


(イヤー、そんな上目遣いで見ないで?エッ、5歳だよね?子供同士だよね?大丈夫なのコレ?)


 「……問題ない…です。」


そして僕は(問題しかネェよ!)と心で叫んだ


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