第4話色々諦めました
白い部屋でソフィア様ての対談を終えて意識を失ったと思ったら教会の女神像の前に戻っていた。
「クロード様如何でしたか?スキルは無事に獲得できましたでしょうか?」
クリストファー神父がそう尋ねてくるので
「はい。無事にスキルを獲得できました。ありがとうございました。」
どうやらあの白い部屋は時間の流れが違うらしくあれだけ長く話ていたにも関わらずこの場では誰も気付かない程の一瞬の出来事だったようだ。
ともかく神父様も気付いていない様なのでお礼をして教会を出る事にした。
「クロード無事に儀式は終えたかい?」
「はい、父上。無事に儀式を終えスキルを獲得できました。」
「それは良かった。それでは今日の夕食の時に皆の前でスキルの公表をしてもらうからね?」
「……エッ、あ、はい、わかりました。」
「そんなに心配しなくてもどんなスキルだとしても誰も何も言わないし気にする事はないから」
(エッ、マジで?あのヤバそうなスキル公表するの?どう考えても悪い予感しかしませんが?)
「ち、ちなみになのですが父上達のスキルはどのような物なのかお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん構わないよ。私のスキルは【統率者】と言って自身が指揮する人達の能力を強化する事が出来るスキルだよ。ユリアのスキルは【豊饒】と言って領地の土壌や作物等を豊かに実らせる能力だね。」
(凄いな。この2人が納めている限領地の繁栄は約束されたも同然という事か)
「父上も母上も凄いスキルですね。皆の役にたてるスキルで素晴らしいです。」
「ありがとう。その評価が1番嬉しいよ。」
父上はそう言って少し照れていた。
その様子をみて自分は本当に恵まれた環境に生まれ代わる事が出来た感謝とこの人達の役にたちたいと思った。
願わくば今は亡き元のクロード君にもそう思っていてほしいものだ。
「そういえば話の途中だったね。カインのスキルは【勇敢】と言って戦いの際に自身の能力を強化するスキル、キースのスキルは【召喚】と言って契約したモンスターを召喚するスキル、ユリアナのスキルは【結界】でその名のとおり結界を張る事が出来るスキルだよ。」
(なるほど家族皆が有用なスキルを所持している訳だ)
ちなみにカインとキースと言うのが双子の兄達でユリアナが姉になる。
「父上達や兄妹様達も凄いスキルを持っているんですね。」
「フフ、そう言ってもらえると皆嬉しいだろうね。」
そうこうしている内に馬車は家に到着した。
「ユイシス様、クロード様お帰りなさいませ。」
そう言って出迎えてくれたのは執事のセバスチャンであった。
(やっぱりセバスチャンっているんだ。何かの物語で見たままの名前だな)
「ありがとう、セバス。クロードの儀式も無事に終わったし食事の時に皆にお披露目をするから準備をお願い出来るかい?」
「はい、直ちに御用意いたします。ユイシス様もクロード様もお疲れでしょうし部屋でお寛ぎ下さい。」
「わかった。そうさせてもらうよ。クロードはどうする?」
「そうですね。それでは僕も部屋で休ませていただきます。」
「それではすぐにお茶の用意をさせますので」
そう言ってセバスはメイドさん達に指示を出していた。
(このまま休みたい気もするけど先に能力の確認をしておいた方が良さそうだな。)
そう考えた僕は部屋に戻りスキルの確認を始めた
(確かステータスオープンで自身のステータスを確認出来ると言っていたな)
「ステータスオープン!」
クロード=フォン=アルカナ
闘級 A
アルティメットスキル 【創造】
【全てを識る者】
【創造神の加護】 【管理神の加護】
「………確か戦闘力を表すのが闘級でHからSまでだと聞いた気がしたけどなんで5歳でまだ一度も戦闘もしていないのにいきなりAなの?オカシイよね?ハッ、そういえば加護の効果がヤバかった気が…イヤ、ちょっと待てよ?確か限界突破とかあった気が……エッ、もしかしてS以上になる可能性も………ヨシ、もう考えない様にしよう。本で読んだ知識だとこういった場合能力の隠蔽をしていたはずだけど大抵すぐバレるしこの世界を発展させるには公表した方が都合が良さそうだし考えると胃が痛くなりそうだからもう諦めよう。それがいい。」
そう思った僕は考える事を放棄して夕食(という名の公開処刑)までを放心状態で過ごした。
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本作を読んで下さった皆様、評価、コメントを下さった皆様ありがとうございました。
当方全くの初心者なのでアドバイス等もありましたらぜひよろしくお願いします。
あとこちら海外からの投稿になりますので時差がある為確認が遅れる事等があると思いますがこれからもよろしくお願いいたします。
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