回り続けるストレス

【ストレスからくる症状に、またストレスを感じる。こうなったら抜け出せない。】


今日は穏やかに過ごせているなと思っていたら、急に手足が震えてきて、絶望する。どんどん気分が落ちていく。最悪だ。どこで間違えたのだろう。「良い一日」を滞りなく終わらせるはずだったのに。もしかしたら昼間、素敵な気持ちになったから、そこでパワーを使ってしまったのだろうか。平坦に、ただただ静かにエネルギー供給していればよかったんだ。一気に使い果たしてしまうの、本当に良くない。

こんな風にストレスに襲われた私に、「もうドカ食いしてしまえ」と、どこかから声が聞こえる。その衝動を必死に抑え込んで対策を考えている間、既にチョコレートを貪るように食べている自分に気付き、本当に嫌になる。きっと今日も気持ち悪くなるまで食べてしまって、後からとんでもない後悔に襲われるんだ。全部全部目に見えてわかっているのに、それを止めるすべがない。最悪だ。


私のストレス症状は主に3つ。

1つ目、ドカ食い。もともと食べることは大好きだった私。自分のことを常に太っていると思っていたけど、過去の私は今思えば至って普通体型だった。いわゆる健康体重というもの。それが、段々とただのストレス食いに移行していく。そうして、結果的に25kg太った。何が問題かって、それに今の今まで気付かなかったことだ。太ったなぁくらいはさすがに感じてはいたが、なにせ食べている自覚がない。なんでこんなに太ったんだろうという、他人事のような感想しか浮かばないのが正直なところ。ありえない。当たり前に着ていた服は当然入らなくなるし、何を着たって似合わない。本当に嫌になる。体調だって悪い。だけど、気付いた今でさえ、自分で食べることをコントロール出来ない。分かっていながら食べてしまう。見た目だけではなく、健康のためにも、痩せたいに決まっている。そこまで分かっていて、それが出来ない自分に苛立つ。やっぱり最悪だ。

そして2つ目、髪の毛を抜いてしまうこと。元々髪の毛を褒めてもらうことが多かった私は、こんなに髪の毛で悩むと思わなかった。寝ている間に気が付いたらむしり取っているのだ。そのせいで髪の毛は途中でちぎれて長さもバラバラになり、髪質も悪くなった。右利きのため、髪の毛も右側が特になくなった。その差は誰が見ても明らかで、当たり前に恥ずかしい。対策としてナイトキャップを被ってみたり、手袋をしてみたり、髪の毛を結んで寝たりした。でも、どれもダメだった。朝起きて、頭皮の痛みと、指に絡みついた大量の髪の毛の塊と、枕元に落ちているちぎれた髪の毛に絶望する。そして、その後も絶望は続く。ベッドを整えて掛け布団に塊を見つけたり、歩いていてパジャマから塊が落ちたり。寝ている時だけだったはずが、起きていても無意識に髪の毛を抜くようになってしまったり。本当に最悪だ。

最後に3つ目、爪を噛んでしまうこと。私は、この症状が嫌で仕方ない。深爪じゃ言い表せないような短さの爪と、荒れ果てた指先をいつも見る。メイクや服装は鏡を使わなければ確認できないが、ネイルは唯一自分でいつでも見られるオシャレだと聞いたことがある。だからその分、その絶望は深い。見る度に絶望。こんなのって恥ずかしくて仕方ない。ささくれだらけの指先が痛い。爪の形も悪くなった。いつの日か、上品で余裕のあるオトナの女性になりたいのに、内面どころか外見すら程遠くなる日々。この症状だって、最初は寝ている時にやってしまい、朝起きて絶望するというパターンだった。それなのに今では、起きていても関係なく噛んでいる。問題は、そこに意思がないことだ。全て無意識なのだから、もうどうしたって仕方ない。


どれがひとつが止まれば。ストレス症状は巡ることなく消えていくのかもしれない。だけど、そもそものストレスが無くならない限り、このままずっと巡っていくのかと思うと、それすらストレスになる。だから結局ストレスからは逃げられない。だって今も、気付いたら爪噛んでるんだもん。


どうか穏やかに。どうか普通に。

私は今日も、ただそれだけを願って、今日という日を過ごしている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る