1月10日 110番の日
「どうしたんだよ?」
友人が電話の前で取り乱しているのは明らかだった。
「今日、彼女をデートに誘おうと電話してるのに彼女に繋がらないんだ。彼女になにかあったのかも……」
彼の顔は青ざめていった。
「落ち着けって……。番号は確かなんだな?」
「ああ」
「もし本当に心配なら、110番に連絡した方がいいかもしれない。そこまでのことじゃないと思うが……」
「どうして彼女の電話番号知ってるんだよ!?」
「え?——」
彼の言葉たちは塊となって頭の中をぐるぐると回った。長いこと彼のことを知る僕の脳みそはすぐにその塊を正しい位置へはめ込んでいった。
「彼女というのは? その、どこで?」
「この間道でナンパしようとした女性警官だよ。なにかあればこの番号にって」
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