1月11日 塩の日

 友人は塩を私の手に盛ると、それを肩の後ろに振れと言った。今までこういったものは信じていなかったが、頼れるのは彼女だけだった。

 言われた通りに振ると彼女は僕の肩の後ろをじっと観察した。

「オッケイ。しぼみ始めてる」

 彼女は荷物をまとめ始めた。

「しぼみ始めてる? え、それは成功なの?」

 彼女はいつも不思議だったが、あまりに予想していた言葉と違った。

「大丈夫よ。幽霊って浸透圧が高いの」

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