1月5日 いちごの日

 もう使うところが残ってないティッシュでゴミ箱にスリーポイントを決めた。頭の中は全然ノれないリズムが鳴り響き、内側からこめかみの辺りを殴りつけてくる。

 毛布を首まで引き上げ、全てが終わったような気分になる。スマホも、もういい。そっと床に耳を当て目を閉じた。

 ガチャッ。

 鍵の音がして足音が続いた。寝返りを打って、部屋のドアの方を向く。

 ドアの隙間から入る薄明かりが揺らめき、ガサガサと袋から物を出しているのが音からも分かる。

 私はとっさに目を瞑った。ドアが軋み、髪をそっと撫でられ、そしてまたドアが軋んだ。

 小さなサイドテーブルには、一つのいちご大福があった。

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