第9話 戦闘と人質

 すいません。投稿するのを忘れてました。

 というわけで急いで投稿します!

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 そうして、俺と敵3人との戦いは始まった。

 できれば・・・一番強いやつから倒したいけど、無理だな。

 一番弱そうなピリピリした雰囲気の奴から倒す!

 俺は黒い狐面から銀の狐面に付け替えた。


「新しい狐面のお披露目だ。」


「気をつけろ!未確認の聖遺物だぞ!」


 目的の男が声を上げた瞬間、俺はすでにそいつの懐にいた。

 殴ろうと思った瞬間、横から何かがすさまじい勢いで飛んできた。

 とっさに殴り飛ばし、その場から立ち退く。


「くそっ!」


 女性はどうやら氷を発生させ操る異能の持ち主らしい。

 最低でも、超級というか特級だと考えてた方がいいだろうな。


「トロワ!俺のことは気にするな!こいつを倒すことだけを考えろ!」


 どうやら、女性はトロワというらしい。


「了解です!」


 というか、もう1人は?


「せいやぁぁっ!」


「うおっ!?」


 俺はぎりぎりのところでチャラ男のパンチを避ける。

 危ねぇ・・・、チャラ男はどうやら身体能力強化系の異能だな。

 こいつも特級クラス、単純な身体能力は今の俺以上かよ・・・嘘だろ。


「凍りなさい。」


「凍れ!」


 女性が異能で周りごと凍らせてくるが俺も同じことをして相殺。

 目を見開いて驚いてるな。


「おらぁぁっ!」


「もうそれも効かねぇ!」


 俺もチャラ男同様に今の状態に身体能力強化をプラスする。

 そうすれば、俺の方が力は上だ。

 チャラ男のパンチを余裕で受け止めて、腹を殴り飛ばした。


「おらっ!」


「うごっ!?」


 チャラ男が吹き飛ぶが、残りの2人はそれに見向きもせず俺を見て警戒している。


「どうやら・・・異能をコピーできるようですね。」


「ちっ、そんなのマルチと一緒だろうが。」


 やっぱり早々にバレたな。

 そう、銀の狐面の効果は鏡のように相手の能力をコピーすること。

 素の身体能力とかまではコピーできないが、銀の狐面にも身体能力強化の効果はあるので元からかなり身体能力は高い。

 つまり、負けはない。


「ただ・・・1度に発動できるのは1つの異能だけのようですね。」


「くそ・・・トロワ!そいつを足止めしてろ!サンクの馬鹿をたたき起こしてくる!」


「無茶言いますね!」


 判断が早いな。

 正確には、コピーできるのは1人まで。

 だから、もしも1人で2つの異能を持っていた場合は、2つの異能が使える。

 ただし、俺がそれを知っている必要があるから、一度は認識する、つまり、見るか受けるかしないと発動はできない。

 それにもしも隠し効果があったとしても、俺がそれを認識しないと発動しない。

 だから、数が多ければ多いほど、俺が不利になる。


「凍れ!」


「凍りなさい!」


 ほぼ同威力の冷気が周りを凍らせながら衝突する。

 まるで氷山の氷の塊がその場に発生する。

 くそっ・・・うまいな。

 男たちに俺がたどり着きにくいように氷が塞いでいる。

 やっぱり、いくら同じ異能を使うと言っても、使い慣れてるあっちが上か。

 だけど。


「おらぁっ!」


 チャラ男の身体強化を発動し、前にある氷を全力でぶん殴る。

 狐面による身体強化も相まって、威力は絶大。

 氷山は粉々に砕け散り、弾丸のように氷のかけらが3人を襲う。


「無駄です!」


 女性が氷の壁を作り、全体を守る。

 どうやら一度、干渉に関しては作った氷を飛ばす程度のことしかできないらしい。

 うまく冷気を使って、最初から整った形の氷を作ってるということだろう。

 どちらかというと、創造に近いな。


「そっちが無駄だ!」


 氷の壁もとっさに作ったのか薄い。

 身体能力を強化している俺にとっては紙同然だ。


「このっ!気を付けてください!そっちに行きました!」


「はっ!?」


 今度こそ、もう遅い。

 すでに俺の攻撃の圏内だ。


「うr・・・がっ!?」


 俺が腕を振りかぶってイケメンの方を殴ると、なぜか俺が吹き飛ばされた。

 しかもかなり痛い。


「・・・くそ・・・いてぇ。」


 まるで俺のパンチがそっくり返ってきたような・・・そうか、そういうことか。

 イケメンの異能は・・・


「反射系か!?」


「おい起きろ!サンク!てめぇは肉壁担当だろうが!」


 というかひでぇな、あいつ。

 今、さらっと仲間を肉壁扱いしたぞ?

 

「なぁ・・・あいつ、ひどくないか?」


「あの2人なりのコミュニケーションらしいですよ。それはともかく余裕ですね。」


「あぁ。正直、お前ら3人を倒すのは時間の問題だ。」


 イケメンの反射系の異能は厄介だが、タイプとしては攻撃を反射する壁を生成するというものだ。

 俺の拳があいつに届く前に俺に攻撃が返ってきたからな。

 もしも無条件に反射するなら、女性の方が忠告する必要もない。

 最低でも俺の攻撃を認識する必要はあるはずだ。

 それか事前に設置だな。

 女性にはごり押しで勝てる。

 チャラ男は現在倒した通り、俺の方が狐面のおかげで素の身体能力が高いから圧倒的有利だ。


「そのようですね・・・では、この手段を使わせていただきましょう。カトル!戦闘は終了です!狐面の強さのデータはこれくらいでいいでしょう!」


「あぁ?分かった。次にシフトすんのか?」


「えぇ。」


 次にシフト?

 いったいどういうことだ?

 とりあえず、今のうちに逃げさせてもらうか・・・。


「お待ちください。帰るのは、少なくともこれを見てからの方がいいと思います。」


「タブレットか?」


 今時珍しいタブレット型の端末だ。

 ホログラムウィンドウが存在する現代社会では、物理的な画面なんてすでに廃れたはず。


「えぇ、ここは特殊なので、ホログラムウィンドウの表示だとその映像を映せないので。」


「・・・は?」


 俺はすでに女性の言葉を聞いていなかった。

 渡された瞬間は、映像が粗くて分からなかったが、今、タブレットに映っている映像は、俺と関係がある2人、澪とシャルがもがいている様子だったのだから。

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