49. 決意。

「あ…」

 まさか外にいるとは思わなかった…。

汐里しおりさんっ…」

 駆け寄る御苑みそのに、

「ただいま…」

 他に言うことあったと思うけど、それしか言葉が出て来なかった…。

「汐里さん、外ですよ…?」

「うん…」

 昨日の失態の罪悪感なのか、ただ御苑を離したくないのか…。

 御苑の服の裾を掴んでいた。

「御苑、あのね…」

 俯いたまま、淡々と話そうと決めたら、

「家に、帰りましょうか…?」

 私の右手をギュッと握って、

「聞きますよ…」

 全部。って、囁く声がいつもより少し真剣で…。

「はい…」

 大人しく御苑と住んでいる場所に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る