48. 決意。新たに。

塩田えんださん…」

 帰るよ。帰るんだから…。

「はい…?」

 返事しながら、忘れ物がないか確認…。

「隣に引っ越して来るんですか…?」

「うーん…」

 忘れ物、ナシ。

「聞いてないでしょ…?」

 背後からさとうくんの声が聞こえると思ったら、ギュッと抱きしめられていた…。

「引っ越しは考え中です…」

 ドキドキはするけど、落ち着く…。

 昨日は、よく眠れたし…。

 毎晩、添い寝していただきたいくらいだ。

「そうなんだ…」

 嬉しそうに言うさとうくんに、

「いつになるかわかんないけどね…」

 詳細は濁した。

 でも、引っ越しは考えている…。

 ただ、私の意図しないところで話が決まっているような気がしてならない…。

 古庄こしょうさんが大家さん、だという時点で…。

「お邪魔しました」

 もうここには来ない。

 ………前回も、同じことを決意したよな…。

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