26. 古庄さん、現る。

御苑みその…、ルール違反だろ…」

「元はと言えば、古庄こしょう先輩の仕事でしたよね…?」

 リビングで可愛い男性が二人、面と向かって話し込んでいる光景はちょっと眩しい…。

「いや、あれは御苑の仕事だったぞ…」

「古庄先輩が仕掛けたんじゃないですか…」

 改めて、御苑は可愛いが似合うヒトだと認識した。

 古庄さんと色々話すことがあるだろうから、お部屋に行こうかな…。

「お前がなかなかやらんからだろうよ」

「おかげで、ボクの仕事が増えたじゃないですかっ」

 お部屋へ退散しようとしたら、

「それに、汐里しおりさんは大丈夫ですよ、ね…?」

 すみません。何のお話をされているのかサッパリ…。

「何の話、でしょうか…?」

 愛想笑いを浮かべて、立ち止まる。

「御苑、何も言ってないんだろ…?」

 見透かされている…。

 御苑は、

「はい。言わなくても昨日の一件でバレましたから…」

 ね。と、私を見て微笑む。が、詳細はハッキリしてないよ…?

「御苑、それは何とでも言い訳できるだろ…」

 アホか。お前は。と呆れて言う古庄さんが、

「汐里さん。お話しておきたいことがあります…」

 改まって言うので、

「はい…」

 何、言われるんだろう…。

 ドキドキしながら、カラダと耳を傾ける。

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