16. 御褒美。

「お疲れ様…」

 頭を撫でて、膝枕…。

「えへへ…」

 御苑みそのはニタニタと幸せそうな顔して、膝に顔を埋めて来る。

汐里しおりさん…、ボク、幸せです…」

 確かに、幸せそうですね…。

 明日から…、いや、もう日付変わってるから…、今だけは我慢だ。我慢…。

「ねぇ…」

 御苑が、服の上から下着をなぞるので、

「やめなさい」

「やめません…」

 御苑とは、そういうことする仲ではない…。

 チューはしたけど。

 あれは…。

 勢いというか…何でしちゃったんだろう…。

「ご褒美くれないんですか…?」

 甘えた声で、

「今、してるでしょ…?」

 膝枕。と膝を叩いて、これ以上に何を求めているのか問う。

「汐里さん…」

「何か…?」

 もうすぐ朝なので早く寝たいんですけど、明日も仕事だし…。

 思わず、デカいアクビをした。

「一緒に寝ます…?」

「寝ませんっ」

 目が醒めた。

「もう少し、このままでいいですか…?」

「いいよ…」

 膝枕の続きかと思ったら、御苑が降って来た。

「御苑、退きなさい…」

 完全に跨れてしまった。

「嫌です」

 密着している部分で、興奮しているのがわかる。

 更に擦り付けるな。バカ。

「もう止められません…」

 そういうこと、やめてくれないかな…。

「明日、仕事…」

 思わず、溜め息が出てしまった。

「ボクだって仕事ですよ…?」

 だから、そういう気分じゃないんだよ…。

「ボクのこと、嫌ですか…?」

 嫌じゃないよ。

 首を横に振って、

「御苑、今日は無理…」

 オバサンの体力、限界…。

「じゃあ、明日はいいですか…?」

 何となく頷いた感覚だけはあるが、それ以降の記憶がない…。

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