14. 同僚との距離感。
鍵を開けて、
「お邪魔します…」
小声で入る…。
「意外とキレイですねぇ…」
独り言を言いながら、
『
貼り紙が示す方向へと向かい、
『SHIORI’S ROOM』
いつの間に作ったんだろうかと思うくらい手の込んだちょっと可愛らしいプレート…。
「
部屋を開けると、何もない…。
手荷物だけ置いて、
「あ。そうだ…」
ベランダに…。
「うーん…」
ベランダは、ドコだろう…。
「あ…」
リビングから見えるアレが、私の荷物っぽいな…。
「よっこいしょ…」
まずは服から…っと、荷物を自室へ運び、最後にお布団を運ぼうとした時に、
「ただいまぁー」
御苑が帰って来た…。
「おかえり」
よっこいしょ。と持ち上げて、
「御苑、邪魔ぁー」
御苑に当たりそうな気がして注意喚起しただけなのに…。
「も、持って行きますからっ!!」
小走りで、私からお布団を奪い、私の部屋へ運んでくれる。
「ゆっくり休んでてくださいって言ったのに…」
御苑の後ろを歩きながら、
「うん。荷物運んでからゆっくりするつもりだったよ…?」
手持ち無沙汰に御苑が被っていた帽子を取る。
「汐里さん…」
ちょっと振り返る御苑に、
「はい…」
あれ…?
今、下の名前で…。
「ドア、押さえててください…」
首筋が真っ赤だよ…。可愛い…。
「はい…」
「ありがとうございます…」
御苑は優しくお布団を置き、
「では、ごゆっくりしてください…」
私が奪った帽子を手に取り、深く被る。
お辞儀をして、部屋を出て行った。
「御苑…」
いつもの御苑じゃない…。
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