09. 自己完結。
「
久々に、名前呼ばれたので、
「はい…」
返事だけ、した。
「出て行く前に、片付けてくよ…」
厚手のゴム手袋をハメて、いざ行かん。
ゴミ袋の中に割りに割った食器を大きな欠片から慎重に拾い、捨てる。
「ありがとう…」
この後ろ姿、何度蹴りたくなったことか…。
「あ。そうだ…」
「今日出て行くけど、荷物は追々に取りに来ます…」
さて、そろそろ…掃除機で…。いや、箒のがいいかな…。
「そう…」
相変わらず、テレビ観て顔は合わさない。
こんな同居人でも好きになってくれる不憫な誰かがいて、犠牲になる誰かがいる。
でも、それでもいいってこの先も想ってくれるヒトならいいんだよ。
私は想えなかったから…。
ゴメンね…。
今じゃ、何が好きだったのか思い出せないよ…。
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