第10話


でもなんでこんなにたくさんの写真が?

しかも私物もそのままになってるっぽい。

ここの施設はそういう習わしなのかな?



「あとちょっとって言って片づけないじゃん。」

「すまない。ちゃんと49日が終わったら片づけるから。」



そう言って院長はその部屋を去って行った。


名残惜しそうにこの部屋を去って行ってたけど、やっぱり何かあるのかな?

魂君のことも気になるけど、とりあえず追いかけてみよう。

だって、机とか荷物が今もそのままになってるって何かあると思うもん!


天使の勘がそう言ってる!!



いた!


ここは院長の自分の部屋かな?

おじゃましまーす…。

ってなんか声が聞こえる。



「もうすぐ49日だな。」

「そうね。早いものね。」



一緒にいる女の人は奥さんかな?



「あぁ、私たちはあいつのことを救えたはずなんだ。なのに…なぜ。」

「私たちが動くのが遅かったから。」

「学校側があんなに動くのが遅いとは思ってなかったからな。それに、自ら身を投げ出す程追い詰められていたって気づけなかった。だから私たちの勝手ではあるけど、49日まではあのままでいさせてほしいって思うんだ。でも子どもたちにどう説明したらいいかわからなくて濁してしまう。」

「そうね…。あんなに対応が悪いと思わなかったわ。」

「あぁ。本人に学校を辞めるよう勧めるなんて聞いたことない。」

「でもそろそろ私たちもちゃんと考えないと。」

「49日が終わったら話そうと思う。」

「わかったわ。」



そっか、院長さん達に相談してたから学校に掛け合っていてくれてはいたんだ…。

だからやりきれなかった思いで捨てられなかったのかな。


院長さん達の後悔を晴らしてあげることはできないけど、魂君にこれを伝えることはできる。


さて、魂君を探しに行くかー!!

これを知ってくれたら、少しはいい方に気持ちが進んでくれるといいんだけど。








-つづく-








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