第5話


もし、もしもだよ、相手が自分の過去の事聞いてきたのにそれが仕事だから、とか仕事に必要だから、って言われたら多分だけどすごくすごくイラってするかも…?


だって個人的に知りたいわけじゃなくて仕事で必要だからって言われたら、友達になりたいわけじゃ無いんだって思う。だったら別に詳しく知らなくてもよくない?ってなんとなくだけどそう思うかもしれない。


そっか、彼はこんな気持ちになっちゃったのかな。


それは嫌だな…


正直、彼に嫌われるのはすごく胸が締め付けられる感じがする。

いままで他の魂にも同じ感じで接してきてこんな気持ちにはならなかったんだけど、なんで今回だけこんな気持ちになるんだろう。

へんな感じ。人間の時もって言いたいけど、私が死んだときは12歳だったし、こんなへんな気持ちになるのは初めて。


よし、とりあえず謝りに行こう!

ほら、なんだっけ…銭は急げ?って言うしね!


んー、でも2週間一人にしてって言われちゃったし、これでいくのは逆効果?

でも、早く謝らないといけない気がするし…

悩むぐらいなら行っちゃった方が早い!レッツゴー私!






って飛び出したけど、彼のいるところ分からないんだった…。

ただあてもなく空飛んでるだけの天使になってない!?

別に給料泥棒っていうわけじゃないからね!!

私たち天使は給料ないけど、一回でいいからこういうの言ってみたかったんだよね~。使い方あってるか分からないけど。



「あれ~?あなたアズじゃない?」

「ミト…。」



彼女は“ミト”私よりも先に天使になっていたから先輩みたいな感じかな?

色々話につっかかってくるから苦手なんだよね。



「あなた魂受け持ってたはずだよね~?どこ行っちゃたのかな~?」

「関係ないじゃん。」

「じゃあ、先輩としての助言ね。さっき魂が1人さ迷っているところを見つけたんだけど、彼、そろそろ限界になるわよ?いらないなら私がもらってもいいけど。」

「限界って?」

「あれ、知らなかったの~?魂は天使と一定距離離れると消えるわよ~?」

「それ初耳なんですけど!早く言ってよ!」

「何そんなにあせってるのよ。別に離れていった魂なんてほっとけばいいじゃない。」

「そんなのだめ!場所は?」

「そこまで教えてあげる義理はないわ~。頑張って~。」

「ちょっと!!」



もう!教えてくれたっていいじゃん。

でもいいこと聞いた。

魂と一定距離離れたら消えちゃうなんて聞いた覚え…あるような無いようなだけど、とりあえず探さないといけないことは分かった。

ミトはあっちから来たから多分ミトの来た道進めば会えるかな。

よし、行こう。






-つづく-








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