第6話 とりあえずは最奥まで行ってみようか

 良く考えないといけない、俺が探索者を辞めてしまうとする、するとこのダンジョンに来た主人公はどうなる?


 ヒロインは?


 他の誰かが助ける?


 いやいや、こんな不人気ダンジョンそんなタイミング良く他の探索者は来ないでしょ?


 そうなると、ゲームオーバー時のムービーで流れていた黒幕による次元融合が進み、人類は衰退の一途をたどる、だっけ?


 たしかダンジョンからモンスターが溢れて世界は大混乱、その機に黒幕が世界の主導権を握る、平和とは程遠い世界・・・


 ダメだ、そうなると赤城宗也の家族や友人が大変なことになる・・・


 少なくとも最初のチュートリアル期間くらいは主人公とヒロインを助けてその後離脱、俺がヒロインにちょっかい出さなければ問題はない、よし、それで行こう!


 という事で現実逃避終了、、、


 俺はビビりながらも魔核の採取をする、コボルドの心臓辺りにサバイバルナイフを刺して、開く・・・

 500円の魔核なんか放っておいても良いんだけど、大木宗也である俺が探索者として生きていくためにはこの作業に慣れる必要がある。


「うぁぁ、気持ち悪い・・・( ゚Д゚)」


 吐き気を堪え、内臓を掻き分けて魔核を取り出すと、それは小さな紫色の小石だった、これからエネルギーを抽出することで世界のエネルギー問題が一気に解決して温暖化も食い止められたんだよな、確か・・・


 その後も何匹かのオークやコボルド、ゴブリンを倒し、戦闘にも解体にも慣れはじめた、とはいえこっちに向かって吠えてくるのは相変わらず怖い。


 順調に3階まで来ており、ダンジョンボスのワーウルフを見つけた、こいつはこのダンジョンの最奥である3階層を徘徊する、いわゆるボス部屋で待つようなお行儀が良いタイプではなく、運が悪いと降りた途端に遭遇してしまうという徘徊型のボスだ。


 そして現在、ワーウルフは別の探索者パーティと戦闘中だ。


 俺も大概運が悪い、ゲームの設定だと1時間くらいしたらリポップするんだっけか?


 年齢は俺より年上に見える男が1人と女が3人という夢のハーレム構成だが、皆まだ探索者としてのランクが低いんだろう、かなり苦戦している。


「ガルラァァァッ!」

「クソッ、こいつめ!」


 ワーウルフの爪による攻撃を防御する男に、支援として弓を使おうとする女達、男一人が前衛なのか?


 バランス悪いな・・・


「早く援護をしてくれ!このままじゃ持たない!」

「判ってるけど、リーダーに当てずに狙うのが難しすぎるのよ!」


 男は防戦一方で女達も弓を使い慣れていないのが狙いが定まっていない、後衛なら魔法スキルとか回復スキルもあるはずなんだが、既に使い果たしたんだろうか?


 徐々に圧されていく男、体力的にはワーウルフのが強いんだろうな、もう少し待てば俺の予想通り全滅するんだろう、どうしようか?


 助けるべきか?


 でも横取りはルール違反だよな?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る