第5話 現実のダンジョンは怖かった・・・
ゲートをくぐり、いざダンジョンの中へ・・・
秋葉原駅地下ダンジョンはいわゆる洞窟型で階層も3階と浅いが、ゴブリン、オーク等の亜人系モンスターがパーティを組んで向かってくるので本当の初心者は殆ど来ない、スライムとか獣系モンスターのダンジョンでの戦いに慣れたパーティが連携を強化するために来るためのダンジョンだ。
確か主人公は他の探索者と共にいきなりこのダンジョンに入りピンチに陥る、そこを助けるのが赤城宗也とヒロイン、経緯はゲームでは語られていないけどヒロインに一目ぼれしていた赤城は主人公たちと行動を共にしていくというのが導入部で、ゲームの序盤では赤城は頼れる高レベルNPCだった・・・
まあ、まだ3月なので今日主人公たちに出会うことはないので安心して攻略しようではないか!
俺はサーベルを右手にダンジョンを進む、早速前方からモンスターの気配がする、ちなみにゲームでも解体という作業があり、プレイヤーに不評だった。
モンスターを倒して素材がドロップするような優しい仕様が良かったんだけどな・・・
とか考えていると前方にコボルドが3匹、コイツは身長1mほどの犬頭のモンスターで、革鎧と小剣を装備している、素材として取れるのは体内の魔核でそれも買取は500円ほどだ・・・
元が3DのアクションRPGだっただけあり違和感はないし、赤城宗也の記憶でも俺がコイツ等に傷付けられる要素は皆無だ、なんだけど・・・
「グルゥアアアァァァァッ!」
襲い掛かってきた3匹のコボルド相手に身体が硬直する、相手が明確に俺に向けて殺意を放っており、俺はその殺意にビビってしまっていた。
「ヒィッ!」
カシュッ!
思わず反射的にサーベルと突き出すと、それが先頭のコボルドの頭蓋骨を貫通する。
骨に当たってるはずなんだけど感触も軽く、発泡スチロールに包丁を刺したような感じだ。
先頭のコボルドが崩れ落ち、残り2体が死体の横を抜けて俺に攻撃を仕掛けてきた。
カン、カンッ!
コボルドの小剣による斬撃は俺の鎧に弾かれ、俺はゆっくりとサーベルを横に振る。
フォンッ!
「ギャンッ!」
身長差があるため少し振り辛いと思いながらの一撃は簡単に2匹のコボルドの頭を両断した、飛び散る血潮に脳漿、痙攣するコボルドの死体・・・
「ゥうおえええぇっ!」
俺はその場で
いやコレ、キツイ、キツイいっすわ、亜人系のダンジョンが不人気なもう一つの理由がこれなんだろう、人型モンスターの死体への忌避感、というか罪悪感がスゴイ。
しかもコレ解体しないと魔核が取れないわけでしょ?
いや、ムリ、ムリィィ!!!
でも、高難易度になっていくと悪魔や巨人などのモンスターもいるのでこれに慣れておかないと探索者として生きていけない。
いや将来的には赤城宗也の父の事業を継ぐとしたら探索者辞めちゃっても良いんじゃないかな?
俺は初戦で見事に心が折れかけてしまった。
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