第3話 とりあえずはダンジョンだよね

 2人分の記憶が俺の中に混在している、大木宗也(29)と赤城宗也(19)の記憶だ、俺はどっちだ?

 どちらかといえば大木宗也感が強いな、そのうち馴染むんだろうか?


 取り敢えずここは赤城宗也の住む1LDKの高級マンションで、全裸なのは赤城宗也の寝るときの癖で全裸でないと寝れない、というのは判った、というか思い出した?


 取り敢えず服を着て、冷蔵庫を開けて中から牛乳を取り出してコップに注ぐ、とにかく落ち着こうか、俺・・・


 って、おう、苦手な牛乳ゴクゴク飲んでるじゃん、お腹大丈夫か?


 俺が赤城宗也で大木宗也でもある、でもってこの世界は『次元融合グラディアス』の世界で間違いなさそうだ。


 さっきテレビ付けたら大木宗也の世界になかったモンスター素材のテレビショッピングが流れてたし・・・


 そうなると気になるのがゲームで良く見ていたステータス画面だ、


「ステータス」


 ・・・うん、出ないね、そうだと思ってた、恥ずかしい・・・


 そうなんだよな、主人公や登場人物がステータスについて発言しているシーンがなかったからステータス画面はないと思ってたけど、けど、試したかったんだよ~


 そうなると今の自分の強さが良く判らない、赤城宗也の記憶によると、まだ主人公やヒロインと出会ってないし、19歳ということなのでゲーム開始すぐか、そのちょっと前といったところだろうな。


 そうだ、今の探索者のライセンスはBランクか、探索者ライセンスは国営機関である『日本探索者協会』が発行するライセンスで、そこにはSからFまでの記載があり、ランクに応じたサービスが受けられるといったものだ。


 赤城宗也の記憶だと今は3月、主人公たちはまだ高校生になっていないのでライセンスは取れない、そしてBランクという事は探索者としてかなり上位に入る、だって上から3番目だもん。


 ちなみに日本にはSランクは5人、Aランクは50人くらい居たはずだ、Bランクは300人くらいだったか。


 これなら簡単なダンジョンをソロで最奥まで行くのも問題はない、だろう。


 あ~、なんで主人公の若林翔じゃなかったんだろう?このままじゃ俺って1年足らずで闇墜ちして主人公に倒されちゃうじゃん、そしてその後ボスに殺されちゃうじゃんよ。

 嫌だよ、これってどうやって回避しようか?


 まあ、そもそも大木宗也としては童貞だし、俺って女の子と話するのも怖いくらいなのでゲームみたいにヒロインにグイグイいく事もないだろうね、なんだ、じゃあ安心じゃん。


 俺はクローゼットを開くと探索者用の装備に着替え始める、え?

 イキナリなんだって?


 そんなのダンジョンに行くに決まってるじゃん、ゲーマーの血が騒ぐぜ!












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