お出かけ


「買い物行くけど、ぼんも行く?」



「んっきゅ!」



ぼんはコートのポケットに入った。



「ここが好きなのね。」



ぼんをポケットに入れて、街へ出た。





まずは、100円ショップ。



布と綿を買いにきた。



「きゅーう。」



ポケットから顔を出し、興味津々で辺りをキョロキョロ見回している。



「…あんま顔出すと、バレちゃうから。」



「ぶきゅ。」



少しだけ、ぼんを引っ込める。




次に、スーパー。



自分のご飯を買いにきた。



「きゅ!きゅ!」



ポケットからぼんが飛び出し、イカソーメンの周りをふわふわ飛び回る。



「ちょ!ぼん!」



周りを確認する。



––こんな異質な生き物見たら…



しかし、周りは特に反応しない。



「あ、あれ…?」



とある客が、ぼんの近くにある商品を取った。



全くぼんに興味を示さない。



「…見えてない、の?」



「んきゅ!」



その客の頭の上をぴょんぴょん跳ねている。



客は気にすることなく、その場を去った。



「見えて…ないんだ…。ほんと、ぼんって何者?」



「ぼん!」



「…だよね。」



特に気にしないことにした。


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