第6話

ゴルゴは、大将から呼び出された。

出勤早々に話があるのは大抵、何か大事があるので緊張していた。

大将がハキハキと切り出す。

「お前か大河で迷ったんだが、、大河にカウンターデビューさせようと思う。」

ゴルゴは耳を疑った。

料理を採用されていたのは俺だし、俺の方が長いし、腕も上がってきていたのに。

「ゴルゴには、大河のぶんのテイクアウトや、お弁当を頼む」

何も口を挟めないまま、大将は部屋を出て行った。

ゴルゴは何も感じなかった。何が起きたのかもわからないまま、いつものように働いた。

カツオを炙る炭を火おこしし、カツオを炙り、アワビを洗い。。

大河になんて言ったかも思い出せない。

帰り道、涙が出てきたのが不思議に感じた。

ああ、おれは悲しいんだ。

祖母が亡くなった時も、葬式の後に泣けたっけ。

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