第5話 黒の女王の戦い



 黒の女王は、白の女王を探し続ける。


 たくさんの世界を渡り、その世界達を守っては、また次の世界で。


 たまに白の女王と出会った時は、戦い。


 そして、世界を守り切れずに悔しい思いを、悲しい思いをかかえて、次の世界へ向かう。


 そうするうちに、黒の女王は変わっていった。


 始めの黒の女王は、何かを守りたい一心だった。


 しかし今は、ただ白の女王の頭をおさえつけなければ気が済まなくなっていった。


 守るべき世界すら、次第に囮にするようになった。


 世界は守られずに、壊されてしまう事が多くなった。


 途中で我に帰っても、世界を守りとおす事はできなくなっていた。


 どんな顔をして、道を引き返せばいいのか分からなくなっていた。


 おそらく誰も、黒の女王を迎え入れてはくれないのだから。


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