第七十六話 新月と満月(中)
Vade retro satana. (悪魔よ、去れ。)
===========================
(なら、一層の事読むのを止めよう。)
「
『ええ、あの女が気配を消した瞬間に
攻撃に備える
確かに、
これ以上何も手が無い、とは考え難いだろう。
「次は何を企んでいるのかしらねえ……。」
「逆に
『思った通りね。
「それ、確かにチャンスは続きそうですが、余り嬉しくないですね。」
『
相変わらず、最後まで
「
そんな二人を
「一思いに殺さないからチャンスは在る、ですって? まさか本気でそう思っているの?」
「何度も同じ攻め手で行くと思った?
しかし、
そしてバランスを崩したのは、ただ迎撃が失敗して腕が空を切ったからではない。
「うぐっ‼」
「取り敢えず、代表的な脚の腱を両方とも切らせて貰ったわ。これで
考えてみれば当たり前の話だ。
冷たい笑みを浮かべ、
『
「待って。どうして
その瞬間、
「ぐはぁッ‼」
「苦しそうねえ。今のは
「やっぱり、随分回復が早いわ。いいえ、最初から
「
「
『意地の悪い女ね。言われなければ、
体を張って守る。――女が男に対して可能な仕打ちの中で、最も効果的に屈辱を与える方法が在るとすれば、これだろう。男がそれに甘んじる事を自分に許す事が出来るとすれば、幼少期に親を筆頭に上の肉親にされた場合のみが例外として挙げられるくらいだ。
「最初から……そうだったんですね? あの時、
『まあ、そうね……。でも……気にする事は……無いわ。本来は……
「無理に決まっているじゃない。
「
「あら、逃げるの? そう来られると、食い止めざるを得ないじゃない、そうでしょう?」
素早く扉の前に回り込んだ
それは決して比喩ではなく、当にそれ程の凄まじい強靭さで
『あぐうううううっっ‼』
「あはは、辛そうねえ、
挑発する
「そんなに辛いなら、代わってあげるのを
「
『
「そっか、無理な相談よねえ。だって実体が無い
痛絶な悲鳴を上げる
「言っておくけれどね、
『ああああああっ‼』
「ほらほら、頑張って耐えて、少しでも生き永らえないと。
『
『がっ‼ ぐはぁッ‼』
「残念でした。ずっと足を乗せ続けてあげる、そんな義理が有る訳ないじゃない。さあ、何発耐えられるかしらねえ、
(このままじゃ……! 早く何とかしないと
「あら、この期に及んで逃げようというの?」
『うぐっ‼』
「まあ、自分の為に
「うう……。
『余計な……心配はしなくて……良いのよ。勘違いして欲しくない……のだけれど、
『これは元々……
「
「後もう少し……?」
『という事は、成果は出たのね?』
「ええ、何とか。だから後は……。」
「後は、何かしら?」
不意に
「何を企んでいるのかは知らないけれど、充分愉しんだからそろそろ一思いに殺してあげようかしらね。」
「
窓が割れると同時に、一人の男が
「
「メッセージは受け取った! 援けに来たぞ‼」
突然現れた
「は?」
「
何度も何度も扉を叩いたのは、
「だから何だというの? 再び
「ぐっ‼
『許されまいが、何が何でもやるだけよ‼ 終わりよ、
凄まじい光が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます