第七十三話 唯一の希望
『青血の神子』――餌共はあの個体をそう呼んだ。
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彼女とて、突然意に反して
「申し訳御座いません、
「いや、
職責上、
「とは言え、このままでは廊下が埋まってしまいますな……。」
「
「承知しました。」
「
待ち人達の安否を憂いる独り言に応える様に、彼のスマートフォンが鳴動した。
「
『
「おお!
『はい、どうにか。頑張ったのは
「その生徒達の様子はどうかね?」
『流石に
「うむ。その為には、
「
『解りました。』
週末、彼の地へ戻った
「まあ、そのものに対してはどうしようも無い、という結論しか在りませんでした。『青血の至高神』は別名『絶対強者』と呼ばれる存在。今の我々の力で抗う術は無い。しかし……。」
彼は戦う者の到着を今か今かと待ち侘びていた。
☾☾☾
「
「ああ。
彼等の現在地から保健室迄はそう遠くない。そこで
「ま、流石にあれだけ足を引っ張っちゃ、一番大変な舞台には上がれないよね。
納得した
しかし、そんな中一人の
「
「うわあ⁉」
「ゲッ‼ ゾンビ不良‼」
「まさか復活するとは‼」
「どういう事だ
「あ、これ逆に面倒臭い奴だ……。」
この状況、彼が一度
「どうしましょう……。」
『面倒だからもう一度眠って貰いなさい。』
「いや、ぶっちゃけ
『良いじゃない、どうせ悦ぶんだから。彼からしても本望でしょう。』
相変わらず
「まあ、
☾☾☾
保健室に辿り着いた
一人、
「何か、やっぱり
自分に起きた事、今両
「で、問題はそのイカレた
「その通りなのですが、
「何だと、
「誤解しないで頂きたいのは、
「正攻法では、という事は、邪道で出し抜く方法は在るという事ですね?」
「彼女が手に入れた青い血、あれは先日話しました通り、『青血の至高神』と呼ばれる神代に
だからこそ、
「しかし、本来ならばそれ程迄に強大な存在の力を人の身で得る事など不可能なのです。第一、彼女は自らの血を全部入れ替えるという荒業を行っている。これは尋常ではない施術です。」
「確かに、どう考えても普通は死にますね。」
「というか、一度死んだのですよ。己の血を抜く、否、分離する為に。」
『分離……!』
『つまり、
「はい。そしてその構造にこそ、我々に付け入ることが出来る唯一の隙が在るのです。『青血の至高神』の力を打倒する事は不可能。しかし、それを摂理に反して己と一体にした『
「随分都合の良い話に聞こえますね。」
「当然、これは僅かな希望に過ぎません。真面に考えれば、存在位階の差が大き過ぎて『光の力』は
『通常?』
「そこでもう一つ、
「そうか……。」
「つまり、当初
「いいえ、少し違いますね。」
「
「では、どのようなやり方で?」
「
説明を聴いた者達は一様に
『大きな賭けになるわね……。』
その時、丸で
『高等部二年四組、
「……御指名の様ですな。」
「ですね。
「では、行って来ます!」
「
「じゃ、
「
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