第六十九話 錆びた釘
――
===========================
「高校生の不良なんて、所詮は世間に甘えた子供ですからね。本気になった大人の無法に敵う筈が無いんですよ。」
老翁・
「しかし、
「
彼は、誰よりも敵である
「いや、
「
運転席の窓を開けた娘に、父は次の指示を出す。
「
「了解しました。
「御互い様ですよ、
☾☾
立ち入り禁止の山道は、入口から最奥の
だが、突然
「あぁ……。」
「
黒紫の
『
自分にとって好ましくない人物に対してすら、そうなのだ。そんな彼が、
胸を刺したのは鋭利で大きな刃物ではなく、無数の錆び付いた釘だった。傷口は悲しみから怒りと憎しみに変質していき、焼けるような痛みを心に訴え続ける。
そうこうしている内に、
「もう、何やってるの⁉」
終いには
「
(
涙を拭うと、
「だから、
今度は
「おおおおおおっっ‼」
何発も、何発も。間断なく怒涛の連撃をぶつけるのは、一刻も早く親友の姿と敵対している事態を終わらせたかったからだ。もうこれ以上、一発たりとも親友の体に自分への暴力を振るわせたくなかったからだ。
『
連続して
「これで終わりだ、
全てを吹っ切り様な叫びと共に、
光が収まった時、
『終わったわね。』
「ええ。御心配をお掛けしました。行きましょう。」
☾☾☾
そんな彼に、屋上で刃を突き付けているのは『
「どいつもこいつも……みっともねえ奴等
「それだけてめえは男にモテるって事だよ。クク、良かったじゃねえか
「だから
「格好の割に可愛げがねえのは変わらねえなァ!
「何だそりゃ、頭ン中ピンクのハートマークで一杯にして鼻の下伸ばしながら喧嘩してんのか?
「
そう、校庭で彼等を見上げているのは何も
「情けねえ野郎だな。
「それが出来る様な男なら最初から
「……驚いたな、珍しく頭が回るじゃねえか。」
「
「良いのか? 自由にしちまって。」
「言ったろ? てめえは
風が不安定な足場に立つ
「屋上から落ちたくらいじゃ死なねえよ、
「ああ、そんな事くらい解ってるぜ。だから手下共を集めたんだよ。おい、お前等‼」
「
「さあ? 悪趣味な連中のすることは理解したくもねえからな。」
「バッテリー液さ。それも、一旦理科室でビーカーに移して、丸二日掛けて水分を飛ばしてある。これがどういう意味か解るな、御賢い
「さあ! その綺麗な顔も
「思えば
が、
「な、何ィ?」
「ほう……。」
「小僧、てめえ何者だ?」
「
「
「あいつは……何者なんだ?」
「『
あの
「だからと言って、退く訳には行きませんよ。」
『当然ね。それに、この男に勝てなければあの女は言うに及ばず。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます