第十一話 麻芽の毒、狂を発する事
我々が生きる世界の延長上で構わないのならば、電車に数時間も乗れば別世界に辿り着く。飛行機に乗れば見慣れない外見の人間にも出会える。海に潜れば見た事の無い生き物にも出くわすだろう。
――作家・
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突然舞い込んだ、
(全く、その時の気分で指示を変えられると本当に迷惑だな……。実はこの
「まあ
『学業優先は当然。それに、ホームルームで担任の先生から何か話があるかも知れないしね。』
☾☾
結局、ホームルームで言及されたのは
(やっぱり
「へえー、どういう風の吹き回し? 朝は随分、他人の噂話に興味は無いみたいな事、
「ぐ……。そこはまあ、事情が有りまして……。」
案の定、十五分休憩に改めて話し掛けた
「ふーん……?」
「事情、ねえ……。」
眉を
「
「別に? 唯、
確かに、客観的に見れば
「
親友の
「
「
「ま、
「朝は悪かったよ。
「一寸、何て遠慮しなくて良いのに。それとも、未だ少しは格好付けたいって事かな?」
「もう充分格好悪いのは承知したよ。」
そんな
「
「そ、そうだね。」
元々はそちらに居た
(そんなに有名な話じゃないと思うけど、
人の噂話が大好きな
「で、中には珍しいんだけど、元
「ははは、そうなんだ。」
これも
『少し
「そうですね。何となく判ってきましたよ。」
「何が?」
「その元
「いや、正解だよ。」
どうにか誤魔化すことが出来て、
「
『該当する人物はそれなりに居るから、名前が判るなら
「
「そう……。」
無理も無い答えだったが、期待しただけに
「
『
「完全に
こうして、
☾☾
昼休み、
案の定、この時間帯となると昨日と同じく
『
「第二合宿所も見事に汚されてますね。」
『許せないわ。どうせなら第一の方にしてくれれば良いのに、何故
「元々古くて汚い方には近寄りたくないんじゃないですか?
『立ち入り禁止とはいっても、どうせ誰も気にしないわよ。』
「この状況ですしね。ただ、少し……。」
『大丈夫よ。あれから何も見付かっていないでしょう?』
「そう……ですね……。」
「こんなに近かったんですね……。」
『昼に来るのと夜に来るのとでは印象が随分違うものね。
『
彼女は優雅に
そして、観音開きが勢い良く開かれると、そこから全開のジェットエンジンから噴き出すかの如き強烈な勢いで紫色の闇が
一瞬にして視界を闇に覆われた
『ビンゴ!
「でも、それが
『帰れる保証が無いなら、
「今行かされてるんですけど⁉」
もう
でも、もし目に入って来るのが
「
『まだ判らないわ。闇が晴れていないもの。でも、間違いなく
この世で
「おい見ろ!
「マジかよ! とんだ命知らずも居たもんだ!」
「
傍に居るのは不良男子生徒が四人、女子生徒が二人。見た所、大柄で強そうな二人の男子
「あの、
昨日とは違い、まだ何か悪さをされた訳でも無いので、先ずは丁寧な口調で不良達に尋ねた。取り巻きの男子二人はそんな
「
「
だが、不良達を率いていると思しき二人の大男は様子が違う。
「待て、お前ら!」
「
二人の大男が
しかし、
「丁度良いや。
名前を聞いた瞬間、下っ端達の顔付きが変わった。二人の大男も微かに目を大きく開いていた。
「そうか、てめえが
「教室を机で仕切ったのもてめえの差し金らしいな。見た目の割に良い度胸じゃねえか。」
「バーベルのバーを頭にフルスイングするイカレた野郎だって聞いてるぜ。」
「
そんな
「
「同じく三年、
「
「それどころじゃねえとんでもねえ目に遭ったからな。」
彼等は
「
「てめえの事は
「まあ今は仲良くしようや。」
眉無し強面の
「実は二人の生徒を探しているんです。
「知ってるよ。」
「あの外道共がどうした?」
「実は、あの二人は今、
「あいつ等!
「大有りだよ! こっちでもシャブ捌いてたんで丁度締めてやろうと思ってたところだ‼」
どうやら薬物の件は早くも解決の糸口が見えて来た。
『良い感じね。そうと解れば一先ずこんな
「
相変わらず身勝手な
「じゃあ今度は
「と言っても、こっちは難しいかも知れねえがな。」
頭半分を刈り上げた赤い長髪の男、
「色々あるけど取り敢えず、あの
「少し長くなるぜ。」
不良達は
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