第九話 羊の皮を被った狼
誰も鏡無しに自分の眼の色を見る事は出来ない。
深い
星や
――
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昼休みの時間になった。
「一時はどうなる事かと思ったよ……。」
ラーメンを乗せた盆をテーブルに置いて席に着いた
「しかし、
「ま、お前が助けてくれなかったら危なかったと、確かにそう思うよ。ゾッとするね。」
「
「コネ?」
そういえば、不良達は
「ま、
「へえ~……。」
「しかし……
「お前はそういう奴だよ
「
『
「す、済みません……。」
脳内に響く
「あ、いや……。ごめん、余り興味無いかな、って……。」
「そうか?」
「ああ。何て言うか、別にもう関係無いじゃん。きっちり話が付いて、終わった事なんだし。あいつ等が仮に今悲惨な状況に為っているのを見せられても、逆に良い気分はしないと思う。それで喜ぶ趣味は別に無いしさ。」
そう答えた
「ふ、それは
「そうかな? 別に普通じゃないか?」
「いや、人間の本音と云うのはね、もっとこう意地汚くてねじくれている物だよ。エゴイズム、パラノイア、ルサンチマン、シャーデンフロイド……そういった醜い感情を多く抱えているのが普通の人間だ。
「どうした? 食べないのか?」
「なあ、
「お前は逆にさ、変な事に興味が有ったりしないか? 例えば、この
「怪しい話?」
「
再び、
「そんな事を調べてどうする?」
「今の状況、明らかに超常現象じゃないか。だったら、そういう
「まさか
唯、それを言って良いのかは
『
意識の中で
だがそこには、生前の彼女達から連なる意思が確かにある筈だ。――
「
「
「一応
「愚問だな。目の前の友人が自分を
「……嗚呼、そういう奴だよお前は……。」
呆れる
「まあ、友人の狂気に付き合ってみるのも一興だ。協力させて貰うよ。」
「引っ掛かる言い方だが、その申し出は素直に嬉しいな。有難う。」
こうして先ずは一人、
『上出来じゃない、
何から始めて良いか分からなかった「
☾☾
昼休みが終わりに差し掛かる。結局
「食欲が無いのは心配だな。今からでも保健室に行った方が良いのではないか?」
「良いよ。理由は判っているし、保健室でどうこう出来る話じゃないから。」
「自分の体調を自己判断するのは危険だぞ、
しかし、事が起きる前ならいざ知らず、親友が
「
「あ、うん……。解ったよ。だからこの手、
「保健室に行くぞ。
そんな様子を見て、周囲の
『
二人の遣り取りを受け、
☾☾
(良し、今なら……!)
そして、隙を見て彼は窓から保健室を抜け出した。
『
「誰かさんの権力はもう
しかし、そこで見た事のある顔が彼の方を向いて声を上げた。
「あ、あいつ‼
「ああん?」
「
『
「ぐ、確かに……。」
(
「本当に
『何が天下の
「
「どういう訳か
「待てコラァ‼」
追い掛けて来る
『
「ええ。
『違っていても、そう助言するつもりだっただけよ。でも、今あそこは鍵が掛かっているわ。』
「あ、そうか‼ ……って、じゃあなんで
走る
『問題無いわ。
「いや、
『
身勝手な余り会話が噛み合っていなかった。
しかし目論見が外れて選択の余地が無い
「うわああああっっ‼」
悲鳴と共に覚悟を決め、なるべく傷つく面積を減らし急所を守るべく体を丸めて
「あの野郎‼」
不良達に
「フン、扉の方を打ち破れば済む話だ。」
「金属バットでも装備する気か? そんな物、
闇の中、
『駄目よ
「頭
二十八ミリ径二百センチ尺のシャフト、重りの無いバーベルのバーを、
「い、イカレてやがるこいつ‼」
こいつは殺れる側の人間だ‼――
「
鼻を抑え、戦意を失った様子の
「良い。こいつの事はもう良い。ハッキリと解った。
「ええ……! 自分であそこまで言っといて退いちまうのかよ、
「
「い、いや……。」
「
「ふぅ~……。ああ、怖かった……。」
『
何はともあれ、
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