第八話 壊れた青春
Tornami avanti s'alcun dolce mai (我が前に戻って来い、
Ebbe 'l cor tristo; e poi dall'altra parte (この悲しき心に在るならば、だが一方では、)
Veggio al mio navigar turbati i venti (見えるのだ、我が船路に風が吹き荒ぶのが。)
Veggio fortuna in porto'e stanco omai (見えるのだ、港の中も荒れ、船乗りは、)
Il mio nocchier'e rotte àrbore e sarte' (疲れ果て、そして壊れたのだ、帆柱も
E i lumi bei'che mirar soglio'spenti. (そしてあの美しい光、
――フランチェスコ・ペトラルカの詩『La vita fugge e non s'arresta un'ora(人生は逃げて往き、一時も留まる事は無い)』より
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名門私立校・
「な、何だ
「どうやって? そんな事、こっちが
「いきなりこっちに来たのはお前等の方だろ?」
確かに、
「しかしよ、どうやら
「『授業中だぞ』なんて言葉、凄え久々に聞いたよ。」
「ていうか『授業』なんて中坊までしか受けんもんだろ?」
しかし唯一人、
「
『何、
「さっき、
『ええ、そうよ。彼等が着ているのは、まあ随分改造してくれた様だけれど、
そう、これら二つの
一方、
「へぇー、高校の授業ってこんな教科書使ってるんだー。」
「お前中身解んの?」
「いや、全然。
「お前、頭良いじゃん。
一方的に教科書を取り上げる
「
「や、
「嫌よ
「お前生意気だよ‼ お高く留まって
「髪も肌も爪も、、手入れしてなきゃ絶対こんな綺麗になんねーって! 男は騙せても
彼等の平和な
(
(色々な所で滅茶苦茶やられている。これはもう、一件々々止めている場合じゃない。)
「いい加減にしてくれ‼」
「何だこの
「確か
「ああ、だったら中坊脅かしてダサかったかもな。」
「ごめんよー。」
「阿保臭……。こんな色気好いた中学生が居るかよ。」
「アンタら、こんなしょうもない
「そのしょうもない男が口出ししてくるまで大人しくしてた
明らかに下に見られている
「突然こんな事が起きて、混乱するのは無理も無いと思う。でも、相手の迷惑を掛けない様には出来ないのか?」
「
「おうおう坊や、
「そう露骨に邪険にされちゃ、
彼の
「先生も、今は授業中だって言っただろ? だったらこんな事が起きても、滞りなく授業出来る様に考えるのが当然だ。
「先生、授業を続ける為にもどうか許可を。」
「あ、嗚呼……。
どうやら教師の
「じゃあ皆、さっき言った通り準備室から机を持って来てくれ。バリケードを作ろう。」
「解った。」
真っ先に
一方、
「
不良の一人が
「き、
「うっせえんだよ教員のオッサンが‼」
「く、
「謝るんなら今の内だぜ? てめえもあの教員みたくなりたくないならな‼」
掴み上げられた胸倉を更に力を込めて締められた
しかし、次に暴力の標的となったのは
「おいてめえ!
スマートフォンで何処かに連絡を取ろうとしていた現場を不良に抑えられたのは
(
「ママにでも助けてって電話しようとしたのか?」
そう完全に
「かっ……こっ、こいつ……
動揺する不良を、
「おい、どうしたんだよ?」
よく解らないけど、これはチャンスじゃないか?――
「いつまで他人の携帯覗いてるんだよ?」
先程まであれだけ暴力に
「……解ったよ。好きにしろよ……。」
「
「恐縮だな。
「
「先刻も言ったけど、他人のスマホ覗く趣味は無いよ。
「親しき中にも礼儀在り、か。
「ああ、頼む。
そう、この異常事態が起きたのが
しかし、そこで彼に待ったが掛かった。
「待てよ、
「学級委員でもないお前にばっかりリスクを負わせるのは気が引ける。」
「
クラスの男子達が、
「
どうやら、この場は何とか上手く収まりそうだ。
☾☾
昼休み、
「つまり、その
「
「まあ
巨漢の眼光がその場に居る誰よりも高い位置で妖しく光り、未だ見ぬか弱き少年に狙いを定めていた。
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