苦学生
お題 都会の誤解
「わぁー。こんなに高いビル初めて見た」
思わず見たこともない建造物を目にして誰も居ないのに言葉が出てしまった。
私は18年間も住んだ田舎が嫌になって頑張って東京の大学に進学した。受験勉強は辛かったけど、素晴らしいキャンパスライフがが始まると想像するとモチベーションが上がって勉強に集中できた。お父さんとお母さんは地元で良いじゃないと言っていたけどなんとか振り切った。
ワクワクするなぁ。どんな生活が始まるんだろう。友達出来るかなぁ。ちょっぴり不安はあるけど、今から始まる生活を思えばそんなこと大したことじゃないと思えてきた。
大学に入って三日が過ぎた。それなりに友達が出来た。大学の授業も少し難しいけど、なんとか着いていけそう。でも困ったことがある。都会は物価が高い。何をするにもお金がかかる。明らかに仕送りとバイトだけじゃ家賃とか通信費とか食費で精一杯。ろくに遊べやしない。どうやってお金を稼ごうか。
大学に入って一週間が経った。今は友達とちょっと夜遊びしてる。こんなことお父さんがいたらできなかった。門限は厳しいし、随時連絡してとかちょっと過保護すぎるよ。
でも今はなんでもできちゃう。
「お姉さんたち可愛いね。どこから来たの?ちょっとウチで遊んでいかない?」
「えーどうする由美ー?」
「どうしよっか……迷っちゃうね」
「良いじゃん良いじゃん遊ぼうよー」
「せっかくだし行こう由美」
「うん……」
「あー楽しかったね!」
「うん!また来よう!」
「お会計6万円になります」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます