講談師による語りの形式で綴られる、愛欲に狂わされた男たちの物語。
ゴア盛り盛りのハードコア武侠ものBLです。
とにかく濃い! ひたすらにエグい!
紹介文にもある通り、ド派手な流血表現から嘔吐におしっこまで、もうなんでもありのえらいことに。
こう書くと悪趣味なお話と思われてしまいそうですけど、読んでいる最中の感覚としては全然そんなことないのがまたすごい。
説得力があるというか、舞台設定や時代背景も手伝ってか、自然に「そういう世界なんだなあ」と受け入れちゃう感じ。
いやえぐいことはえぐいんですけど……(でもそこが良い)。
北辰斗さんが好きです。ナチュラルに周囲を狂わせまくるこの魔性っぷり!
しかも当人がいまいちわかってない感じがこう……本当にストライクで……。
その彼に狂わされた男たちもまたそれぞれ相応に濃いのが素敵。
呉衡廉さんの無茶苦茶な悪漢ぶりに、貪狼剣王のある種大袈裟なまでの強さ。良い……。
6,000文字とコンパクトな語りの中に、えぐみたっぷりの狂気と愛憎の詰まったお話でした。