第6話 あきの壮絶な過去
目を開けると爽やかに射し込む陽。
こんなに清々しい朝はいつぶりだろう。
気持ちの良い朝だ。
それとは反して、けんちゃんから無断で逃げてきた恐怖が
舞い降りてくる。怖い。大丈夫かな。
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好きだからということで執着してたのだろうか。
ただ手放されるのは怖かった。
多分、元彼に浮気されたことが原因だろう。
きっと
逃げてしまっては捨てられる。
楽しい思い出だけ思い出しては、どうしてもそこに縋りつきたくなり、
この決断が正しかったのかとてつもない恐怖がまた襲ってきた。
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「おはよう、よく眠れた?」
友人は先に起きていたみたいで、私が寝ていた部屋に入ってきた。
心配だったのか、昨夜はずっと手を繋いで寝ててくれた。
誰かに守ってもらえるってあんなにも安心して眠れるのだなと再確認した。
あき「うん、ありがとう。まだちょっと怖いけど・・・」
友人「仕方ないよ、それでいいよ。まず一歩だよ」
とびっきりの笑顔。安心するな。
「さー朝ごはん食べよっか」とカーテンを開けながら爽やかにいう友人を見るとさっきまでの恐怖がどこかへ飛んでいった。
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友人「とりあえず、ここで当分過ごせばいいけど、ここにいると両親には連絡しといたら?」
あき「そうだね、ちょっと電話借りてもいいかな?」
・・・・・・・・・・・・
友人「ご両親心配してたでしょ?」
あき「うん、でもよかったとほっとしたみたい。」
友人「よかったね」
・・・
作ってもらった朝食は半分以上残してしまったけど、
こんなに食べたのは久しぶりだ。
もうお腹いっぱい。
痩せほそった体、こけた顔久々に顔を見ると泣けてきた。
ちゃんと食べよ。ちゃんと前を向こう。
・・・・・・・・
友人「私今日は仕事があるから、1日ここで過ごしていてね!
誰か来ても出なくていいから、ゆっくり寝てるんだよ!!」
と出かけて行った。
有り難かった。
正直、誰かと一緒にもいたかったけど、
恐怖で耐えきれない感情をぶつけてしまいそうで丁度よかった。
とりあえず寝よ。
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夕方になり、急にポケベルが鳴った。
(やばい さがしてるみたい すぐかえる)
と友人連絡が入った。
震えた。
怖い。けど見つかるはずがない、けど怖い。
どうしよう。助けて。
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急いで友人が帰宅し、状況を聞くと、
あきの友人や家族など家に押しかけて探してるみたい。
その内うちにも来るだろうけど、
奥に隠れてれば大丈夫だし、心配しないで。
まずはゆっくりして、夜ご飯美味しいもの食べよ!
と言ってくれた友人の笑顔に乱れた心が癒された。
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大丈夫、私は大丈夫。
けど見つかりませんように。。。
どうか、神様。お願いします。
空の下で生きる月と太陽のわたしたち たちばなあい @korosukepon
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