第4話 あきの壮絶な過去

今までも壮絶だといえば壮絶だったけど、

命が関わってくる話はこの時の出来事だ。

20歳にしてどんな辛い経験してるのだろうと今でも思う。



この時起きたことは事件とも言えるだろう。

未だに、体と心ともに傷は癒やされずにいる。




・・・・





婚約者と別れ、気が狂ったような毎日を送っていた。

あの頃の半年は生きた心地さえしなかった。





けど、生憎この愛嬌なのか何なのか男関係には困らなかった。

(学生時代よく、ワンクールの月9の女と言われたな。付き合っても続かない、人を好きになれなかったのも私の特徴)




生きる力を失った私に声をかけてくれる人は何人かいた。




けど結局男はやりたいだけ。

そう、そんな風に声をかけてくる男は何人もいた。

かわすけど。



そんな中でも1人、そんな雰囲気は見せない笑顔が太陽のような

けんと仲良くなり付き合うようになった。



あき(優しい。)

  (あの辛かった思い、忘れられる。)



  (よかった。)



そう、誰かに愛されることで私の心は安堵し、

寂しさを埋めるようにしていた。



今思うともしかしたらこの時誰でもよかったのかもしれない。

こんな怖い人を選んだんだから。。。。



・・・・



とっても優しいけん。

荷物を持ってくれたり、風邪ひくとお粥を作ってくれる。

私のことが可愛くて可愛くて仕方がないようだ。



愛されるって本当に心地が良い。



あき(ありがたいな〜)


と前のことを忘れるようになってくる。




・・・・・・・・



私はこの時特に資格も特技もなかったら、夜のホステスの仕事をしていた。

夜も遅く、帰りは深夜になる日々が続いていた。



よく私の家に上がり込んでいたけんは、

その生活に次第に不満を覚えるようになってきて、

愚痴をこぼすようになってきた。



疲れて帰ってきた私もそのぐちぐちをうまく交わせずイライラして喧嘩になることがあった。始めこそ言い合いで済んだものの、、






そう、






その果てに彼は暴力を振るうようになったのだ。


今でも思い出すあの感覚。

(DV受けると死ぬまでこの恐怖はついてくるのだろうか。)







けど、暴力振るわれて逃げればいいと思う人が大多数だろうけど、

やっと癒やされたと思った傷口を開きたくなかったから、

縋りついてしまっていた。



誰かに何か言われても自分も狂っているから可笑しいとも思えなくなってきていた。




毎日のように殴られ、罵倒されるようになった。顔以外の見えないところを。

この人こんなんだっけと思いながら、力のない私は抵抗することもできない。



________




次第に私から笑顔が見られなくなり、周囲がおかしいと思い始めた。



友達、親って見てるんだな。



何回も止められた。



けど、異常な精神状態の私は別れることが怖かった。

手放すことが怖かった。



ただこの毎日も辛かった。



誰かに助けて欲しかった。



友達の言葉に何回も歯向かったけど、

本当は勇気のない私を無理矢理にでも引っ張り出して欲しかった。




________________



続く






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