閑話 二人組の会話
賞金稼ぎの二人組は荒野を北へと歩いていた。
しばらくして背の低い小太りの男のほうが振り向き後ろを確かめたあと、背の高いひょろっとした男のほうに話しかけた。
「おい、兄弟。さっきのあの男の銃、覚えてるか?」
「なんだよブラザー。そういえばえらい年季が入った銃だったような気がするな〜」
「馬っ鹿! あれはコルトSAA、別名『ピース・メーカー』だよ!」
「えっ⁉︎ じゃあ、まさかあいつは……?」
「あぁ、おそらく間違いねぇ。この辺であの銃をぶら下げている奴なんざ、きっとあいつぐらいしかいねぇからな」
「それじゃあ、奴があの噂の『ピース・メーカー』だったのか〜?」
「たぶん間違いねぇ。誰も殺さない、だが誰も奴を殺せない。いつしか持ってる銃から付いた渾名が『ピース・メーカー』だ」
「誰も殺さないって言っても、昔、村を襲ってた盗賊団をたまたま通りすがりに一人で壊滅させたっていう噂だぜ〜?」
「あぁ、それに誰も殺さないって言うのは、自分を殺そうとしない奴だけで、自分の命を狙ってくるような奴には容赦はないって話だ」
「お〜こわ! そんな奴に関わらなくって良かったぜ〜」
「まったくだ。あんな奴相手にしてたら命が幾つあっても足りやしねぇ」
「そう言やぁ、兄貴遅えなぁ〜? どこまで行ったんだろ〜?」
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