Dead or Alive

「あんた遅いわよ! モタモタしてるから、こんな髭むくじゃらに絡まれちゃったじゃない! 早く助けなさいよ!」


「あぁん⁉︎ 何だぁ! お前は⁉︎ 今は見ての通りお取り込み中だぁ! 土手っ腹に風穴開けられたくなかったら、とっとと消えな!」


 こいつが賞金稼ぎの兄貴分だな? 腕っぷしの強そうな男はミランダを掴んだまま、もう片方の手にしていた銃をこれ見よがしに俺に向けた。


「あ〜っ、ちょっと待て、ちょっと待ってくれ」


 俺は顔を片手で覆ってしばし心を落ち着かせる。ミランダはまだスッポンポンの生まれたままの姿だった。くっ! 直視できん!


「何か誤解があるようだから断っておく。まずミランダ。俺はお前に用心棒を頼まれたが引き受けた覚えはないぜ」


 そう言うとミランダはキッと俺を睨んだが急にガックリした表情になった。


「で、そっちのヤッこさんの方だが、なに俺はちょっと忘れ物を取りに来ただけさ。いや違うな? 夢を取り戻しに来たと言うべきか?」


「何言ってるか分からねぇが、とっとと失せろと言ってんだ! ドタマに鉛玉ぶち込まれねぇと分かんねぇのか!」


 賞金稼ぎの男はイライラした様子で声を荒げた。


「とはいえ、か弱い女に乱暴しようとしているのをみすみす見過ごすって言うのも、なんだか寝覚めが悪くなりそうでいけねぇよなぁ」


 俺はまったく意に介さず歩み寄っていった。


「だからといって、さっき会ったばかりの女に命を懸けるっていうのもどうかしてるし……。さ〜て、どうしたもんかな?」

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