賞金稼ぎ

 クソッ! とんだクソビッチかよ! がっかりだぜミランダ!


 なんとも言えないやるせなさを胸に俺はもうこんな女に付き合うことはないと自分自身に言い聞かせながら走っていた。


「お〜い! あんたぁ〜」


 ふと俺を呼び止める男の声がした。見ると背の高いひょろっとした男がこちらに向かって手を振っている。その横には背の低い小太りの男も一緒にいた。


「なぁ、あんた、この辺で女を見かけなかったか〜? 金髪のいい女なんだがなぁ?」


「あぁ、それならさっき見たな。北に行くってあっちに向かっていったぜ」


 俺はしれっとシラを切った。


「おぉ〜悪いな、やっぱ街に仕事を探しに行ったか。ありがとよ。よっしゃ、行こうぜブラザー!」


 背の高い男が隣に声をかける。だが小太りの男はじっと俺のほうを見て黙っていた。しかし、やがて


「おっ! おおぅ。そうだな! 急ごう、急ごう!」


 急に慌てたように反応すると、相棒を促して北の方角へ歩き出した。


「待ちな」


 俺はそのまま立ち去ろうとする二人組を呼び止めた。どう見たって保安官の助手なんかじゃなさそうな連中だ。俺が胸元に手を入れると、男たちはサッと腰の拳銃に手をかけた。


 俺はゆっくり煙草の箱を取り出すと二人にそれを勧めながら


「その女、いったい何をやらかしたんだ? 教えてくれよ」


 そう言って自分の口にも煙草を咥えた。

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