トイレの山

バブみ道日丿宮組

お題:セクシーな悪人 制限時間:15分

トイレの山

「随分と遠くにきたものだ」

 海岸線が見える。

「サボってよかったの?」

 そう話す彼女とは手を握り合ってる。家からずっとこうしてる。家に帰るまでおそらくは放さない。話すとしたら、そう性行為に及ぶことになったときぐらいだ。

「デートよりも優先される行事なんてないよ」

 体育祭なんて運動神経がいいやつにだけやらせればいい。僕はそこそこだけど、彼女はかなりのドベだ。歩いてると言ってもいいぐらいの走力しかないし、握力だって低い。

 ぷにぷにしてるということもなく、ほどよい弾力を持ってる。

 それは触ることができる僕でしか知ることはないし、知ってほしくもない。

「なに?」

「相変わらず、可愛いなんて」

「もう、なにそれ」

 体育祭なんかよりも彼女の裸体のほうがみたい。なんだったら着衣でもいい。制服姿の今もいいけど、パジャマとかスクール水着とか、情報量が多くてクラってする。

 だからこそ、体操服なんてものをなるべく他の人には見せたくない。見るやつがいたら、そいつの目玉をスプーンでくり抜いてやりたい。

 ここまできたのはたんに海が見たかっただけなのだけど、本質はそういうことだ。2人で一緒にいたかった。可能であれば、性行為だってしたい。

 が、ここでは無理だろう。

 昼間の外は明るく、見つかりやすい。

「海はいいよね」

 海岸線へと視線を彼女からうつす。

「悪くはないね。わざわざ来るようなところでもない気がするけど」

「こうやってサボるのもなんだか懐かしい気がするよ。昔はよく学校抜け出してたよね」

 彼女がつぶやいた。

 彼女が言うようにいつからかその数は減った。

 外に行く楽しみよりも、内であることに楽しさを知った。

 中学校は面白かった。猿の山のような小学校と比べて、中学校はしつけの良い番犬がいるエリアとなった。僕らはそれらを可愛がったし、教育もした。

 それが楽しくないわけはなかった。

「戻る?」

「その前にトイレでしよう」

「そうだね。せっかくだから」

 そういって、僕らは見つけたトイレに2人一緒に入った。

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トイレの山 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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