第14話 キノコ祭り! あのキノコを料理するの!?

 アサギ先生はオバケキノコを次々魔法で切っていって、あっという間にコマ切れにしちゃったわ。

「「「…先生~!」」」

「皆、無事で良かったわ、と、言いたい所だけど」

すぐさま目をつり上げて、

「何で子供達だけでアレに立ち向かったんですか! 

危ないでしょう! 

次からは絶対にしないこと! 分かりましたね!」

とてつもなく大きい雷が落ちたわ…。

 「ひゃー、おっかねえ」

アサギ先生が来た方向から男の人が2人、ホウキに乗って来たんだけど…、

「先生、何であの人2人乗りだったんですか?」

そう。なぜか1つのホウキに2人で乗ってきたの。

 「折り畳み式のホウキに最初乗ってきたんですが、途中で壊れてしまい急遽きゅうきょホウキを借りたんです」

「2人、乗りは…大変…でした」

白い髪の人がそう言いながら倒れたわ。

「体力ねえなあ、ワイト」

「…あなたが方向オンチだから運転まかせられないのが原因でしょうが、ラック!」

息を切らしながら白髪の人が黒髪の人に文句を言っていたわ。

 方向オンチ…それはしょうがないわね!

 「さて、あのキノコですが」

よく見ると、オバケキノコが通ってきた所に、ニョキニョキと小さなキノコが生えてきたの!

「さあ、あの生えてきたキノコを採っていって、村に帰りますよ!」

 ゼンが一足先に村に戻って人手を連れてきてくれるから、私達は帰りながらキノコを採っていったわ。

それにしても本当にあちこちからキノコがたくさん!

「これを使って祭りの料理のメインにするんだよ」

さっきまでアサギ先生の家にいたおじさんも一緒に採ってくれたわ。

 ワイトと呼ばれていた人は、ラックという人におんぶされて村に連れていったわ。

「…すいません」

「ま、しゃーないな」

この二人、仲が良いのね。

そういえば、

「さっき水晶玉で連絡した時に映っていた人だよねえ、あの人」

「ああ、ラックですね。

彼は私が魔法使い修行していた時、一緒に修行したんですよ」

同級生ライバルということですか?」

「…なにか字が違う気がしますが、まあそういうところですね。ワイトの方は私達の兄弟子なんですよ」

 へー。先生の昔からの知り合いだったんだ。


 村に戻ると、村中の大人の人達や残っていたクラスメートが待っていてくれたわ。

でも、やっぱり怒られちゃった。

 「こんな危険な事をしちゃダメでしょう!」

お母さんにも怒られたんだけど、

「でも…無事で良かった」

って言いながらギュッて抱きしめられたわ。

心配かけてごめんなさい、お母さん。

 「それじゃあ収穫祭だ! 祭りの準備だー!」

村長さんの号令で、皆で協力して野菜を持ってきたり、お肉やお魚、お野菜を料理したり、大人の人達はお酒を持ち寄って飲んだり。

 私達もキノコ料理を美味しく食べたりしていたんだけど、

 「…眠い」

「俺も…」

「「「疲れた…」」」

森で活躍した私達はお腹いっぱい食べて眠くて眠くて、いつの間にか寝ちゃったわ。


 目を覚ますと私のベッドの中。

「あら、ジア起きたの? ずいぶん疲れていたみたいね」

お母さんがホッとした顔で私を見ながら言われたわ。

 「今日は学校お休みなんですって。もう少し休んでいていいわよ」

 お母さん、なんだかいつもより優しい!

…なにかあったの!?


 

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