第12話 私達に出来る事…って何?

 「よし、これで連絡出来た! 

あとは先生が戻ってくるのを待つだけだ!」

「でも、これからどうするの?」

 アサギ先生に連絡をした私達。先生の家にいなさいって言われたけれど…。

「なんとかオバケキノコを止められないかなあ」

「あの大きさのオバケキノコを? 

私達に出来るかしら?」

「…どうだろう?」

 皆で相談したけれど、全然アイデアが思い浮かばないわ。

 その時、ドンドンって扉を叩く音が聞こえたの。

内緒で来ていたからとてもビックリしたわ。

「おいっ! 子供達いるんだろう?! 出てきなさい!」

 大人の男の人の声。何で分かったの?!

「大丈夫だったか? 外の壁にホウキがあったから気付いたんだが、どうして学校から抜け出してきたんだ?」

そういえば、あわてていたからホウキを外に置いてきてしまっていたわ。

 皆で怒られるかも、と覚悟したんだけど、

「無事でよかった。

ここにいるってことは、先生と話が出来たのかい?」

「ハイ! 急いで村に戻るそうです」

ゼンがちゃんと伝えてくれたわ。先生の他に、もう一人いた事は黙っていましょう。

「そうか。先生と連絡したくて俺がここに来たんだが、間に合ったなら良かった」

少しホッとした顔をしていたわ。でも、

「先生が戻ってくるまで、どうしたらいいですか?」

ゼンの質問に、

「森の中にいる間は何も手が出せないんだよ。

下手に火を使ったりすると、火事が起こるかもしれないからな」

 「あの、オバケキノコって毎年来るんですか?」

私は男の人に質問したの。

「ああ、そういえば君はこの村に春に来たばかりだから知らないのか。

まあ毎年なんだけど、ここまでの大きさのオバケキノコは中々無いかな」

やっぱり大きいんだ!

ん? 大きいってことは…、

 「ねえ、あの大きさと形だから、転ばせたらどうかしら?」

皆が私を見たの。そして、

「転ばせる!? 危ないよー」

「そうそう。下敷きになったら危ないわ」

 「じゃあ俺の炎魔法で」

「「森が火事になるからダメ」」

皆に止められて、すみっこでいじけるゼン。

まあ、しょうがないわね。

「ワタシ、木を扱う魔法が使えるよ」

「ボクも、ツタを伸ばしたり太くしたりする魔法が使える」

 クラスメートの黄色い髪色のナノハちゃんと、灰色の目の色のグレイ君がこう言ってくれたわ。

「私、風の魔法が使えるわ」

「ジアちゃん! じゃあ風で切ったりとかは出来るの?」

ナノハちゃんに聞かれたけど、

「葉っぱを切る練習はしているけど、上手くいくか分からないわ」

そうかー、と言われたけど、

「でも、やってみるわ!」

「じゃあ、これをこうして」

「ワタシ達がここで足止めして」

「これならゼンも活躍出来るわね!」

それまですねていたゼンが、

「…俺でも役に立てるのか?」

皆でゼンの前に立って、

「「もちろん!」」

それを聞いていつもの元気を取り戻したゼン。


さて、作戦は上手くいくのかな?

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