第11話 キノコ襲来…被害多数!?
「まず、やることは?」
「なんとしてもアサギ先生と連絡を取り、少しでも早く村に戻ってきてもらう」
「その上、村にやってくるオバケキノコの進行を少しでも遅らせる」
「今年のは木よりも大きいからなあ」
「それで、連絡は?」
役場では、お父さん達が
私達子供は学校でそのままおとなしくしていて、って言われたけれど、
「なあ、先生の家に水晶玉があるだろう?」
「あ、そういえば見たことあるわ」
先生の作業室(大きな鍋が置いてある部屋)の片すみに確かあったわ。
「それを使って先生と連絡取れないかなあ」
そう言われたけれど、
「私、使い方まだ知らないわ」
ちょっと考えて、
「…先生、コクってパートナーの黒猫を飼っているから聞けば分かるかも!」
「…猫がしゃべるのか?!」
普段羊に話しかけているゼンには言われたくないわね。
「じぁあ、先生の家に空を飛んで向かって、そこの水晶玉でなんとか先生に連絡!」
「あとは先生からどうすればいいかきいてみる!」
作戦は決まったわ。
何人かで校長先生達の注意を引きつけておいて、空を飛ぶのが得意な人達だけで森まで向かって、アサギ先生と連絡!
そうと決まれば早くしなきゃ!
「これで提出書類は以上ですね」
「あー、肩こったー」
「これだけで肩こるなんて、ホントに先生やってるのか?
テストの丸付けの方がこの書類より多そうなのに」
「うちの村は生徒数が少ないから書類書きよりも楽なのよ」
「さて、お茶でも淹れますか?」
「ミルクたっぷりで!」
「砂糖付けてね」
ワイトの
一息入れようとしていた時、
「…もし、もしもーし、聞こえますかーにゃ」
「…なんか水晶玉から声が聞こえないか?」
「…コクの声みたいな」
ワイトの机の上にある水晶玉を
『あっ! 先生!』
「…ジアさん?! それにゼン君も! 授業はどうしたんですか?!」
コクからの連絡と思っていたらジア達が映ったので驚いたアサギ先生。
『大変です!
オバケキノコがもう現れたんです!』
ゼンが詳しく報告する。
「なんですって?!」
予想よりも早いオバケキノコの
アサギ先生は村から離れた事を後悔したけれど、
「おい、オバケキノコの大きさはどれくらいなんだ?」
ラックがジア達に聞いてみた。
『…誰?』
「だー! 早く教えろ!」
水晶玉の向こうでは、
誰あの人?
とか、
なんか偉そう。
とか言われたい放題だ。
「…まあまあ落ち着いて」
笑いをこらえながらラックをなだめるアサギ先生。
「それで、オバケキノコは今どうなっていますか?」
『今はゆっくりですが村に向かって歩いて進んでいます。えっとー、あ! 森の木が倒れていきます!』
『役場の人達が…踏まれたー!!』
大きくて大変だというのは十分伝わった。
「分かりました。すぐに先生が向かいます。
そこの家は丈夫なのでそのままそこにいるんですよ」
『なんとか進むのを止める方法は無いんですか?』
ジアがアサギ先生に聞いてみた。
「とにかく急いで村に向かいますから、絶対に家から出ない事! 分かりましたね!」
水晶玉の連絡を切り、
「アサギ…俺、なんか言いたい放題言われてたんだけどどういう教育してるんだ!?」
「知らない人には
「アレはさすがにあんまりだろう…」
人当たりが良いのが長所のラック。さすがにショックだったらしい。
ラックの様子は気にせず、すぐにでも戻らないとと
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