第47話 きみのとなり

 迷路の池袋駅を抜けて、予約していたカフェに入った。お互い初めて来た店だからテンションが上がっていた。今日はルミネ池袋にある「菜の庵」でしゃぶしゃぶをたしなむ。


「美味しい!」

「食べ放題っていいな」


 ここでの滞在時間は2時間くらいだったと思う。13時には店をでて、建物の中を見ながら楽しんでいた。買いたいものは特になかったけど、家具とか、食器とか、見るだけでも楽しかったし話題は広がった。


「このベッド、ふっかふか!」楽しそうにベッドに座る。

「おおっ」俺も隣に座った。


 婚約者と暮らすってなったら、こんな風に二人で選ぶんだろうな。相手が実梨だったらいいけど、フラれたら終わりだ。

 水族館に行く途中、ゲームセンターを見つけて中に入った。


「これやりたい!」


 ゾンビを倒すゲームだ。おもちゃの銃を手に、目の前の画面にどんどん出現するゾンビを打って倒していく。初めての体験だから楽しみだったけど、いざ始まると心臓に悪かった。めっちゃ怖い。


「うわあ!」

「きゃあ! あはは!」


 叫びながら楽しんでいる。俺たちは上手なほうなのかゾンビに倒されなかったけど、しばらく遊んでいると段々プレイヤーの体力がなくなってきて、終いには倒されてしまった。ゲームを再スタートするには課金しなければならないけど、もう充分楽しんだからやめた。


「はぁぁ、疲れた」

「でも楽しかったね!」

「うん、楽しかった」


 そしてついに16時になった。サンシャイン水族館には多くの人がいた。迷子になるほど混んではないけど、クリスマスだからかにぎわっている。


「行こ!」


 子供のようにはしゃぎながら、俺の腕をひいた。

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