第37話 心の焦り
帰りのホームルームが始まる前に、みんな教室内で自由に話していた。席を立って遠くの席に座る人に声をかける男子もいれば、席に着いてスマホを触るものもいるし、お菓子を食べている人もいる。
そんな中、実梨はだるそうに机の上に置いた鞄を抱きしめて寝そべっている。いつものように新木さんと話していた。「今日は水泳部だぁ」「私も陸上部だぁ」放課後の部活に行きたくないからだるそうだったんだ。二人は気分を変えようと、今週の休日のイベント、クリスマスについて話し始めた。新木さんは彼氏とデートをするけど、実梨は特に予定がないそうだ。
「みんな好きな人のこと誘ってるのかな」
「クリスマスは男子から誘ってもらいたい」
「うん」
やっぱり、こういうのは男子から動かないと駄目だよな。
「実梨、誘われてないの?」
「一応誘われてはいるけど」
え?
「保留中かな」
予想外だ。もしかしたら男子に誘われているのかもしれない。保留中なら俺にもチャンスはある。急いでクリスマスに誘わないと、他の人にとられてしまう。せっかく立てた作戦だけど、見直さないといけないな。
家に帰った後、少しだけ作戦を変えた。実梨は明日から部活がないから、二人でいられる時間がある。
スマホを手に、実梨へメールを送る。
”明日の放課後、どっか行こうよ”
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