第26話 素直な答え
急いで水を飲んで落ち着かせた。「大丈夫?」俺の背中を擦ってくれた。
「図星だ!」
「た、卵焼きがしょっぱくて、喉にひっかえただけだ」嘘はついていない。
「河田ちゃん、可愛いよね~」
どういうつもりでそんなこと言っているのかわからないけど、俺のことを恋愛対象にいれていない実梨からしたら意味もなく友達の話をしているようなものなんだよな。
どうしたら俺のことを恋愛対象にいれてくれるのかな。俺だったら、目が合った時に好きになった。あとは実梨と話している西澤先輩が羨ましくて嫉妬したことで、好きな思いが増したくらいだ。
__あ、それだ!!!
「……確かに、綺麗だし可愛いところあるよ。しっかりしているように見えるけど臆病なところもあって。臆病なところもあるけど、話してみたらわりと積極的にきてくれたり」
とにかく河田さんを褒めれば嫉妬のひとつはしてくれるんじゃないか?
「ふ~ん。じゃあ、なんで付き合わなかったの?」
ド正論。
「他に好きな人いたの~?」前から俺の顔を覗く。ニヤニヤしながら冗談気味に言われたけど、俺にとっては本気で言っているように聞こえたから正直に答えた。
「……うん」綺麗なプールに視線をそらす。
プールを見たかったわけじゃない。ただ、こんな近い距離で顔を覗かれていると緊張するし、うまく話せないからだ。
反応が気になって再度、実梨のことを見ると少しだけ口を開けて呆然としていた。
「実梨?」
気が飛んでいるような顔をしているから心配になった。
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