第21話 不意の質問
次の日、学校に行くと昨日の噂が撤回されていた。
「西澤先輩が罰ゲームで告白したんだって」
「それ知った澤田君が実梨ちゃんのために先輩を殴ったってこと?」
「イケメンすぎる……」
俺は隣の教室に行き、河田さんを呼び出した。
急に呼び出してしまったから驚いていたし、妙に話し方がおどおどしていたから面白くて笑ってしまった。
「澤田君って笑うんだね」
「人間だからね」
なにか違和感があるなと思ったら、周りの視線がこちらに向いていることだった。近くにいる女子たちがこっちを見て何やら話している。噂のことかな。
「河田さん。もしかしてみんなに本当のこと言ってくれた?」
「え? ううん、言ってない」
「じゃあ実梨か」
「な、名前で呼んでるんだ」
「幼馴染だから」
「えっ!?」
廊下に響き渡るくらいの声を出すから、少し遠くにいた人までこちらに視線を向け始めた。よく考えたら好きな人がいると伝えただけで実梨との関係は言っていなかったな。
「いいなぁ」
何を想像しているのか羨ましそうな顔をする。すると、手を後ろに組んで口元を少し微笑ませた。
「私も佑樹君と幼馴染だったら、好きになってくれた可能性あった?」
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