第8話 蒼い虎

「それでは、蓮我れんがは一人で北東の中型を、きょうとクレイン、そして伯亜はくあ君。三人には東の小型二体を、私は残った中型一体を。経、クレイン、君達の最優先事項は伯亜君を守ることです。分かっていますね?」

「「了解」」

二人は声を合わせて答える。


「大丈夫。私達が絶対に守るから。さっきの隊長や蓮我みたいに」

伯亜を心配してか、クレインの台詞。

二人は真っ直ぐな眼差しで伯亜を見つめている。


(この人達なら大丈夫そうだ)

伯亜は率直に思った。


「それじゃあ、行くよ」

そう言うとクレインと経は大通りを走り出した。


閑散とした街並みにクレインのブーツと経の革靴、そして伯亜の運動靴が足元のコンクリートにぶつかり、コツンコツンとそれぞれ違う高さの音で鳴り響く。


突然、高いビルの中層部から奇声を上げながら、一体の死胎ネクロが飛び降りる。


「伯亜!私達の後ろへ!」

クレインが声色を変えて指示する。

伯亜はその指示に従順に従った。


飛び降りて来た死胎はあの時見た中型の死胎よりだいぶ小柄で生前に近い姿だ。


「いい?伯亜。死胎はより人の形に近い方が弱いのよ」とクレインが死胎の説明をする。

そう言うと彼女は指と掌から糸の束を出して、死胎を拘束する。

「"地縛操蟲糸じばくそうちゅうし"!」

それに続いて経が右手を左手に添え、指を絡める。

「"砂海さかい狛犬びゃくけん"!」

経は長外套ロングコートから砂を出し、我々もよく知る狛犬を作り出す。

そして狛犬は左の鋭利な爪で死胎のコアから左脇腹に掛けて引き裂いた。


死胎はその場にドサッと音を立て、倒れる。


「はい!いっちょ上がり!」

急に緊張感のなくなったクレインの台詞。

「まだ一体残ってる。気を抜くな」

「そうね。じゃあ次行こ。次。」

「待って…」

経が死胎の前でしゃがみ込み、クレインに言った。

「あ〜、はいはい、いつものね」とクレインは呆れた様に言った。

経は死胎の前で手を合わせ、「肉体に囚われた儚き魂よ。今、此処に解放され、天界へ召されよ」と唱える。


これは彼なりの弔いの言葉なのだろう。


「弔いはそれぐらいにして早く次行くよ」

クレインは腰に手を当てて言った。

「ああ、今終わった」

「あの、このご遺体どうするんですか?」

伯亜は気になり聞いた。

「死胎をご遺体だなんて言う子、初めて見たわ。皆大抵、死骸だとか言うのに」

「だって死胎は元人間ですよね。そんな言い方可哀想じゃないですか…」

「だから私達は死胎の亡骸のことは遺骸って呼んでるのよ。遺体ってのは人間の亡骸のこと。区別出来るようにね。死胎の中には生前の姿のまんまのパターンもあるから」

クレインが遺体の遺骸の使い分けを説明してくれた。

「で、この遺骸は葬専そうせんが引き受けてくれるから」

「ソウセン?」

「埋葬を専門とした部隊のこと」


またしても突然窓の割れる音がした。


広い大通りを反響し、的確な位置が把握出来なかったが、クレインがある方向へ走り出したので、伯亜と経はそれに続いた。


そこにはビルの側で宙に浮く蒼い短髪の少女と宙に浮き、苦しそうに藻掻く死胎が居た。


「君ッ!そんな所で何をしてるんだ!危ない!早く離れてッ!」


返答はない。

次の瞬間、思わず耳を塞ぎたくなる様な気味の悪い不快な音が鼓膜を揺らした。


先程まで苦しそうに藻掻いていた死胎が核ごとバラバラにされていた。


「何?君達もボクの邪魔をするの?」


「伯亜、経、気を付けて。あの子、何か変よ」

「ああ、分かってる」


あの少女が異常なのは何の経験もない伯亜でも分かる。

それほど彼女の放つ気配はおかしい。

憎悪と嫌悪に呑まれた様な虚ろな青い瞳。


「取り敢えず確保した方が良さそうねッ!天蚕糸テグス操蟲糸!」


先の蟲糸より太い束の糸で少女を包み込もうとするが、「なんでボクの邪魔をするんだ!」


彼女の声に呼応する様に糸の束は簡単に千切れてしまった。

「やっぱ、駄目ね…。」

クレインは暗い表情を浮かべたまま呟いた。

「"砂海の飛鳶ひえん"!」

クレインに続き、経は砂でトビを作り出し、少女を目掛けて飛ばす。

「何なんだ!邪魔するなよ!」


やはり彼女の声に呼応して鳶は少女に命中する前に減速し、粉々に粉砕される。


『あの力は彼女自身のものではなく何かが彼女に力を貸している』

伯亜の直感がそう言う。更に伯亜はその減速した様子に何か違和感を感じた。

鳶が減速する前に"水"が染み込む様に褐色化していた。

(水…?)

「水です!彼女の異能は水!」

伯亜は脳内処理が終わった途端、叫ぶ。

「なるほどね。だから経の砂も効かない訳だ。伯亜!今すぐ隊長か蓮我呼んで来て!私達には相性が悪過ぎる!」

クレインはそう指示した。

「は、はい!分かりました!」

伯亜は勢いよく踵を返して走ろうとした。しかし自然と足が止まる。そして不思議と死んだ育ての両親の姿が脳裏に浮かんだ。

(なんで…?今、あの二人の姿が浮かぶんだ?)

その疑念の後に直様、浮かぶんだ思考。

(このまま俺が離れたらあの二人、そしてあの子も死ぬ…)


気付いた時には伯亜の脚は走っていた。片手にあの刀を持って。


伯亜は抜刀した。あの時と同じ様に斬り上げる様な抜刀で。

斬った瞬間、灰色の炎が這い、鼻を刺す灰の匂い。

そして、脳裏に浮かぶ少女の周りを囲む一体の蒼い虎。

少女はその蒼い虎の中心に居る。


「ちょッ!何してんの!」

クレインの動揺した声。

その声で脳裏の世界から現実世界へ引き戻された。

「やっぱり何か居る!」

伯亜は率直に感じた蒼い虎のことを伝える。

「何かって?」

「蒼い虎…の様な」

「そいつは水虎だ。特異指定妖魔。隠密行動ができ、四肢と尾に水生植物の様な蔓を有している」

先の切り裂き攻撃、コチラへの遠距離攻撃はその蔓を使ったのだろう。

「でも妖魔は絶滅した筈じゃ?」

彼奴アイツは例外。そもそも、水虎は肉体がない。だから封印されていた。真逆、封印が解けているなんて。きっとあの子の心に漬け込んだのだろう。器として良いように使われてる。彼奴には肉体がないからな。器が必要なんだ。器になった人間は負荷に耐え切れず…死ぬ」

「そんな…」

伯亜の直感は合っていた。このままだと彼女が死んでしまう。

その時、黒瑠に言われた『敵と人質のどちらを優先するか』という問いを思い出した。

(そういえばまだ答えは出していなかった。)

伯亜はそう思い返す。


「何なんだ!」

突然、少女は声を荒げる。

「何なんだ!お前のその格好は!悪趣味にも程がある!」

彼女は伯亜を指差し言った。

「この世界の人間も頭がおかしいのか!何を好き好んでそんな囚人服を着込んでいる!」


その時、伯亜は思い出した。彼女の事をその日見た。

日之桜学院高等学校の受験会場で。人形の様に整った顔立ち、青色の瞳、透き通るような白い肌、体は小柄で身長は一六零cmにも満たず

、その小柄な身は深緑色の男物のブレザーに包まれていたあの少女。あの時とは髪色が違っていたから気づかなかった。


「違う!これはッ!」

伯亜は必死で弁解しようとするが彼女は全く聞く耳を持たない。

「黙れ!何も違わない!お前もあの世界の人間と同じだ!理不尽な無理難題を押し付けるクズの一人だ!こんなエゴに満ちた正解主義の社会で生きていける力を身につける為?ふざけるのも大概にしろ!社会の為に役立つことが出来ない人間は要らないのか?役立つことが出来ない人間は生きてはいけないのか?死ねとでも言うのか!だって間違ってるだろ!こんな社会のせいで自殺している人間だっているんだよ!分かるか?人が死んでるんだぞ!そんなのどう考えたって正しくないだろ!何をそんな間違った紛い物が当然の様にあの世界では通ってるんだよ!」

彼女の声はまるで紙ヤスリを擦り合わせた様に擦り切れていた。


『無駄だ。彼女に弁解は無意味だ。ただ怒りを誘発するだけだ。そして、彼女も俺と同じ様に苦しんでいる。助けたい。でも同調も彼女を怒らせるだけだ。どうすればいいんだ』


「ハハッ!正解ばかりを押し付けッ!たった一つの正解しか見えちゃいない!そんなんだから間違えるんだよ!怒らせちゃいけない人間を!愚かなものだ!正解主義の病人共!そんなんだから死ぬだよ!アイツらもお前らも!今に待ってろ…。すぐに殺してやる…。ボクに味合わせた苦痛を苦悩を恐怖を!そうだよな!それがお前らの求めた正解なんだよな!さあ殺れ!水虎ッ!」

また蔓を伸ばし、攻撃をする。

「次が来ます気を付けて!」

伯亜は自分で言ったにも関わらず避けられそうにない。

「下がれ!伯亜!」

経が側に落ちているビルの瓦礫を砂で掴み、遮蔽物にした。


「今のうちに作戦を話す。作戦は………」

「「了解」」

伯亜とクレインは経の作戦に従うことにした。

「伯亜。後で説教ね。」

「は、はい」

「その為に生きて帰るよッ!」

「はい!」


「それじゃあ、気張って行こう」

伯亜と経は遮蔽物から飛び出し、作戦を開始した。

まず初撃は相手から。蔓を伸ばした攻撃。これは伯亜の斬撃で防御する。

また灰炎が這い、灰の匂い。

伯亜の脳裏が次の攻撃を予測する。

右側からの攻撃、次に左側から、更に上側。


「先輩!右左上です!左右お願いします!」

「了解!」

経は先と同様に砂で瓦礫を掴み、左右の攻撃を防ぐ。

伯亜は上方の攻撃を斬る。また這う灰炎。

そして匂いを嗅ぐ。

(反応がない。いや、下!)

真下のコンクリートを突き破る攻撃。

「クレインさん!今です!」

「あいよ!」


クレインの糸が伯亜と経の腹部に絡みつき、伯亜達を上へ引っ張り上げる。


宙に舞った伯亜達は作戦の最終局面へ到達する。


経の砂で瓦礫を水虎に投げて押し付ける。

水虎と少女はビルの中層部の窓を突き破って着地した。


「行ってこい!伯亜ッ!」

そして伯亜も砂と糸で少女のいる階層に到達する。


黒瑠に言われた『敵と人質のどちらを優先するか』

伯亜の答えは『人質を助けて敵を倒す』もしくは『敵を倒して人質を助ける』。

どちらも優先する。それが伯亜の答えだった。


その時には水虎の隠密状態は解除されていた。

その水虎が牙を剥く。

「下がれ水虎。コイツはボクが殺る」

少女が水虎の体からゆっくりと出てきた。


「さあ、神具従者ユナイトテイマー同士仲良く殺ろうよ」

突然、彼女の足元に魔法陣の様な紋様が蒼く輝く。その中心から銃口の付いた一本の鉾が出てきた。

伯亜は少女の言葉の意味が分からなかった。

「は?ユナイトテイマー?なんだそれは?」

「アンタも持ってるだろ。その刀、八岐之神具ユナイトだよ。」

「この刀…ユナイトっていうのか」

「この世界に八本のみ存在する貴重なものだ。アンタのは刀剣之神具サードユナイト。で、ボクのが銃鉾之神具シックスユナイト


「まあ早く終わらせよう。ボクも暇じゃなくてね」

「ああ、そうだね。早く終わらせよう」


お互いゆっくりと歩み寄り、一気に走り出す。

神具同士の刃がぶつかり合い、火花が散った。

その火花が散ったことで不思議な記憶が伯亜の頭に流れ込んだ。


眼鏡を掛けた女性が不服そうな顔でこちらを見ている。これは彼女目線の記憶なのだろう。

「ごめんね…母さん。ボクが母さんの努力を無駄にしちゃった。」

彼女の声だ。つまり、前の女性が彼女の母親。

「あのさ、母さん。」

「何?」と彼女の母親は冷たく答えた。

「ボク…生きてる意味あるのかな?」

「何言ってるの?」

母親としては当然の反応だろう。

「だって、小さい頃から沢山勉強して、皆の遊びの誘いを断わってそうやって時間を費やしてきたのに…結局駄目で…。だからボクに生きてる意味なんて……」

そんなこと無いと言おうとしたが、これは彼女の記憶だ。聞こえやしない。そう考え、口を噤んだ。

「そうね…。貴方に生きてる意味なんて無いのかもね」


そこで記憶は途絶えた。


「成程…。そういうことか」

「何が成程だ。何が分かる?お前に…。」


「お前こそ何が分かる?」

伯亜は聞いた。

「え?」

「お前が生きる意味なんて何もないんだよ!」


「やっぱりアンタもそう言うんだな…。」


「今の所はな。お前の人生は親のものなのか?いや、違う!お前の人生はお前だけのものだ!自分が生きることに理由がいるか?誰だって死にたくないんだよ!お前だけじゃない!俺だって、さっきの二人だってそうだ!だけど、この世界は自分の為に生きることを良しとしてくれない。だから、皆自分の生きる意味を見つける為に必死で生きてるんだよ!真っ当に生きることを諦めて生きる意味なんてほざいてんじゃねえ!いいか?よく聞け!人が生きる意味ってもんはな!生きてりゃそのうちに産まれてくるもんなんだよ!」

そこで言葉を区切り、深く息を吸い込む。

「君があの世界の仕組みに異を唱えるには遅すぎたんだ。でもこの世界はまだ違う!俺はこの世界からネクロを消す。そして、君の様な悲しい子どもが生きやすい世界を作る!生きる意味なら俺がくれてやる!だから君はその手伝いをしてくれ。だから生きろ!約束だ!」


彼女は俯いて体を震わせている。


「何を揺れ動いているのだ!"ソウ"!その程度のガキの言う戯言など信用出来ぬだろ?」

水虎が口を開き、喋った。

少女の名は『ソウ』というらしい。

「ソウ、お前の決意はその程度なのか?お前を見捨てた親と光国の奴らを皆殺しにするのだろう?お前が殺らないなら我が殺る!」

水虎を渦巻く謎の力が膨張していく。


「まずい!ソウ!早くここから離れないと!」

伯亜はソウの腕を掴み、引っ張って窓から身を投げ出した。


水虎の咆哮。それと同時にビルが崩れた。


間一髪でビルの崩壊に巻き込まれずに済んだが、このままだと地面にぶつかり死ぬ。


「"砂海の沼地"!」

経の砂の緩衝材クッションで一命を取り留めた。


「よく救助した!伯亜!」

経が伯亜とソウの手を握り、二人を立ち上がらせる。


ビルの瓦礫の中と巻き上がる塵埃から水虎が姿を現した。

「なあ…ソウ。我にはお前が必要だ。我と一緒にいればお前の望みも叶い、我の望みも叶う」


「それなら俺もッ!」

伯亜も負けじと口を開くが「黙れ小僧!」と一蹴される。

「お前はまだ何もしていない!それに比べ我はもうすでに行動に移している。なあソウ。お前はどっちと行きたい?」

伯亜は反論の余地もなく黙り込む。


「そうだね…。水虎の言う通り、この人は何も信用出来ない。」

(矢っ張り、駄目だった…)

伯亜は胸中で項垂れる。

「でも…いや、だからこそッ!ボクは…この人と行きたい!この人が約束を守れるのかどうかボクが最後まで見届ける!この人の創る世界でッ!」

ソウは伯亜を指差し、言った。


「この糞餓鬼ッ!」

水虎は腕を振り上げ襲いかかる。


伯亜はすぐに反応し、迎撃態勢に入るが「待って」とソウが伯亜を左手で止める。


「水虎はボクが起こした。だから、ボクに蹴りを付けさせてくださいッ!」

ソウは神具の柄頭を肩に当てて構え、銃口を水虎の額へ向ける。

引き金を引く。


「"飛沫ノ弾丸スプラッシュ・バレット"!」


一発の銃声。

銃口から放たれた弾は圧縮された水で、その高質量の威力は凄まじいものだった。


水虎は散った。蒼い宝石だけを残して。

ソウはそれを拾い上げ「これってなんですか?」とクレインに聞いた。

「これって…俺も持ってる」

それは伯亜が初めて死胎を倒した時に側に落ちていたものの色違いだった。

「これは霊珠オーブね」

クレインが答えた。

「オーブ?」

「そうだ。異能者の因子量を大幅に上昇させるアイテムだ」と水虎にバラバラにされた死胎の弔いが終わった経が答える。

「どうやって使うんですか?」

ソウは霊珠をじっくり見つめながら、聞いた。

「食べるんだよ」


「「は!?た、食べる!?」」

伯亜とソウは声を重ねて驚いた。

「あ、今食べちゃ駄目だよ?体が爆発するから」

クレインは付け足す様に再度、口を開く。

「「怖ッ!」」

また声が揃った。


「早く戻るぞ。色々報告することがある」

経がボソッと呟いた。

「ハイハ〜イ、行くよ。伯亜、それとソウちゃ〜ん」

クレインはご機嫌そうにスキップしながら経の後を着いて行く。

「その呼び方止めてッ!」

伯亜はそう叫ぶ彼女を連れて、アジトに戻る。



「やぁ皆。帰りが遅いと思ったら…。どうしたんですかその子?」

戦闘していたのにも関わらず無傷の黒瑠が能天気に問う。


「初めまして、月島蒼つきしま そうと申します。」

「えーと、説明は伯亜からした方がいいかな?」とクレインが話を振る。


伯亜は先の戦闘で起きたことを漏れなく話した。 

「なるほど。蒼君は伯亜君の援助サポートがしたくて隊に入るという訳ですか。分かりました。月島 蒼君、君の入隊を認めます」


すんなりと入隊を認められた。

伯亜はあんなに色々言われたのに。


「で伯亜君、今回の経験を含めて私のした質問の答えは出ましたか?」

「はい…。自分なりの答えは出ました。俺は『人質を助けて敵を倒す』もしくは『敵を倒して人質を助ける』。どっちも優先する。それが俺の答えです」

「全く欲張りですね。でも、伯亜君らしいです。分かりました。少しは君を見直しましたよ。指示を無視したとはいえ、結果二人、いや三人の命が助かったのですから。よく頑張りましたね」

そう言うと黒瑠は伯亜の頭を優しく撫でた。

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