第14話犯人は誰だ!

黒井川は夏木の死体を見てピンときた。

「え~と、堀君。今夜夜勤の病院関係者集めてくれる?手が離せないスタッフ以外の。特に夜8時の時間帯にフリーの状態だった人間」


1時間後。

病院の一階ロビーに集まったのは、戸川医師、黒岩医師、看護師5人、ガードマンの寺山、研修医3人が集まった。

僕は静かに話し始めた。

「今回の連続殺人事件の犯人を暴く為に皆さんにお集まり下さいました。今夜、夏木さんが殺害された時に皆さんにはアリバイがありません」

その時。

「ちょっと待ちなさい。私は研修医と救急外来のスタンバイをしていた。何故アリバイが無いんだ?」

「寺山さんの死因です。撲殺は一瞬で終わりますから」

「君は我々、病院スタッフを疑っているのか?」

「はい」

「だが、第一の殺人の謎が解けてないでしよ!黒井川さん」

「ワトソン君心配ご無用」

戸川は少し興奮している。

「この事件の特徴は、殺した犯人とそれを偽装した犯人が別々にいたんです。殺した犯人は驚いたでしょうが。そして、先ずは第一の殺人から」

周りは固唾を飲んで、耳をかたむけている。

「防犯カメラには平坂先生の指示を受けに、北園友子さん。あなた診察室にはいりましたね?」

「わ、わたしはなにも……」

「あんたが平坂先生を撲殺したんだ。返り血を浴びないように、布で包んだ鈍器でなぐってね。3分あれば十分だ。だから、あんたは、実際3分で診察室から出てこれたんだ。そして、その死体をベランダから落としたのは、ガードマンの寺山さんあんただ!死体をベランダから落とすだけなら、4分で出てこれる。ここまで、どうですか?」

寺山は落ち着いた口調で、

「それは、面白い。だが単なる空想だ!」

「じゃ、山下由美看護師長の事件は北園さんが山下さんを絞殺した後、また寺山さんあんたが自殺に偽装したんだ!」

「刑事さん、わたしが犯人なら夏木さんを殺害したのも、わたしと言うんですか?わたしはナースステーションにいました。ねぇ、みんな」

他の看護師は頷いた。


「ご心配なく。夏木さんを殺害したのは寺山さんあんただね」

「証拠はあるのか?」

「はい。あります」

「じゃ、聞かせてもらおうか?」

僕はにこりとした。



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