第11話暴く者

フリーライターの夏木は、点滴しながらロビーをうろちょろし、目的の人物を探した。

だが、見付からずロビーでココアを飲んでいた。

諦めて病室に戻ろうとすると、目的の人物が目の前を通った。

すかさず、

「戸川先生!」

戸川は振り向き、声の主を見たら一瞬顔がひきつった。

「な、何でしょうか?」

「ちょっと大事な話しがありまして……」

「何ですか?また、10年前の話しですか?」

「違います」

戸川は少し考えて、使用していないカンファレンス室に案内した。


「戸川先生。先生はこの病院で何年働いています?」

予想外の質問に、たじろいだが、

「18年です」

「そうですか。オレは10年前に母をこの病院で殺されたが、15年前にも誰か死んでますよね?自殺で」

「さぁ、どうだか」

「オレはフリーのライターでね、母が殺された時から、医療事故をネタにしている。この病院に限っては、特に目を光らせている。15年前に自殺したのは、事務長だね?」

戸川は観念して。

「あなたの言う通りです。しかし、原因は分かりません」

「オレは知ってるよ。使い込みだろ?」

戸川は尋問されてるようで、気に食わない。

「夏木さん。あなたはこの病院に詳しい。いい相棒を紹介します。刑事の黒井川警部です。見てくれは悪いですが、かなり頭のキレが良い刑事さんです。連絡先教えます」

「ありがとう戸川先生」

「後で、私からも警部に連絡しておきます」

2人はカンファレンス室を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る