第6話

小さい子は風邪をひいても肺炎になるし、下痢になると脱水症状になる。

何回も入院した。近所の小児科にはほぼ3日おきに通っていた。


「くらいかおしてるね」とその小児科の年配のかっぽう着を着た銀髪の看護師さんがいった。


のんびりものだったのに子供が病気にならないように神経質になりよくおこるようになってしまった。


夫は遠距離の通勤で早朝から深夜まで働いていてくれた。


でもこそだてにかかわる時間は夫には物理的にない。

必死な私と少しづつけんかをするようになった。

ベビーカーと抱っこベルトに子供二人を乗せて買い出しを家族でしていても

夫は若くてきれいな女の人に懲りずにニコニコする。私は般若の面になる。

くりかえした。

なんで?こんな悔しくむなしい思いをするのかと。


小さな喧嘩が発展して、一度夜中に開いている区役所に離婚届をもって

子供二人をかかえていったことがあった。寒い夜だった。


届を出す直前に「離婚しても一緒に子育てする?」ときくと、

夫が「うん。なっちゃん(私)といっしょにくらせるなら。」という。


二人でまた家に帰った。


はらわたが煮えくり返るような思いをしたが、離れて暮らそうとは心の底からは一度も思えなかった。


この時のご飯は一週間毎日決まったメニューを7つくりかえした。買い出しも土日にみんなで行った。ご飯を作るのも私にとっては戦争で、すぐできる料理をくりかえした。


月曜日は鳥となすびとあつあげとピーマンのみそ炒め

といった具合いで、子供たちの世話と家事の合間につくった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る