第4話 絶対大丈夫、を信じたい
絶対なんて事はない。
信じたい想いは山々だが、いつも自分がそれを見事に裏切ってくれる。
例えばボーリング。
「子供用のレーンだから、ガーターなんて絶対出ないよ!レーンにガーター防止カバーだってついてるんだから!」
チーム戦と聞き、下手すぎて無理、を理由に断ろうとした中学校卒業式後のクラス会。
「絶対ガーターはでない」
それなら、みんなに迷惑かけないかもしれない、と絶対を信じ挑んだ。
しかし、見事に連続ガーター。
卒業式という、めでたい日に「逆にどうしたら、ガーターだせる?」というモヤモヤした疑問をクラスメイトに与え、私は中学を卒業した。
もう一つは、植物。
私は植物を育てることが苦手だ。
毎日水をとりかえ、日光をあて、お花屋さんからいただいた栄養の液体もあげているのに、○日もちます、といわれた半分の日数で枯れてしまう。
モーツァルトの曲が植物にはよい、ときき盆栽に聴かせた事もあったが、結果は変わらなかった。和と洋は相性が悪いのかもしれない、と枯れてから数日間反省した。
そんなある日。
「水もあげなくていいし、絶対枯れない観葉植物です!絶対大丈夫、枯れません!」
育てるのは苦手だが、植物は好きだし育てたい。
そんな私の夢を叶えてくれる魔法の植物があるなんて!とワクワクしながら購入した。
嬉しくて毎日、おはよう元気?調子どう?と話かけたりした。
そのたびに深緑色の葉が、元気!と答えてくれているような気がして毎日朝から楽しかった。
しかし、別れは突然やってきた。
購入一ヶ月後。昨日まで緑色に元気だった葉が茶色くなっていた。
愛情を注ぎすぎると、鬱陶しいと思われてしまうのか、どうしたら植物達と毎日元気に挨拶できるのか、今日も悩んでいる。
絶対大丈夫、あんたならできる!と心から自分を鼓舞できる人間に早くなりたい。
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